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病院関係者の方へ

公正取引委員会が病院指定の葬儀社に注意した、抱き合せ販売とは、搬送する立場を利用して強引に葬儀の営業をすることです。病院は、葬儀社紹介センターではありませんが、実質的に、葬儀社紹介機能を担っているのであれば、いい葬儀社を紹介できれば顧客満足はより上がると思います。葬儀社間で競合させれば、病院との癒着などの問題は解決するでしょうし、葬儀費用の低下とサービスの質は確実に上がります。

搬送する立場を利用しての強引な葬儀の営業は、不公正な取引方法

公正取引委員会が「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(2005年7月)の中で葬儀社に対して、「遺体搬送サービスと併せて、その後の葬儀サービスについても、当該遺体を霊安室に引き留め、説得するなどして、自己との取引を強制的に促すといった事例がみられた。こうした行為は消費者の自主的なサービス選択の自由を侵害し、不公正な取引方法(抱き合わせ販売等)として独占禁止法上問題となる恐れもあることから、事業者はこうした行為を行わないようにすべきである」と注意しています。
要するに、搬送する立場を利用して強引に葬儀の営業をするな、というところでしょう。

厚生労働省の調査では2010年、病院でお亡くなりになる人は80%近くを占めています。また、2011年に行われた経済産業省の調査結果では、準備中を含め、本人が葬儀の事前準備しているのは5%にも達していません。東京都が平成13年に調べたアンケート調査によれば、家族の葬儀のための事前準備をしていない人が64%に達しています。

これらのことをあわせて考えるとどうなるでしょうか。葬儀を依頼する立場の人からすると、現実的に病院指定の葬儀社を利用するかどうかが葬儀社の選択を考える大きなウエイトを占め、いったんその葬儀社を利用すると、強引に葬儀まで営業される可能性がある、ということです。

もちろん、病院は葬儀社紹介センターではないのですが、実質的に葬儀社紹介の機能も担っているのであれば、可能な限り、いい葬儀社を紹介できるような仕組みにして欲しいと願っています。もちろん、病院指定の葬儀社が悪い業者と言ってるのではありませんけれども、よりよい仕組みにできれば、消費者は喜ぶでしょうし、マスコミでたたかれるような事態にもならないのではないかと思っています。

ただ、病院は葬儀社紹介が本業ではないので、葬儀社調査や施行立会いなど望むべくもありません。しかしながら、そんなことをしないでも、厳密な評価はできなくとも、ある程度、いい紹介機能を発揮できるようにすることは可能ではないでしょうか。

それは、 公正取引委員会が指摘している「選択の自由」を前提に仕組みを作るということです。依頼者に選択の自由を確保するために、葬儀社間に競合状況をつくればいいと思うのです。

葬儀社間に競合させれば、病院との癒着などの問題は解決する

ちなみに当センターは、この「選択の自由」という考え方を取り入れて、依頼者に複数社から選択させるような仕組みを前提にしています。
これには3つの理由があります。一つ目は、葬儀社側に緊張感を持たせて見積りや対応をしてもらえるようにすることができるということです。その結果、ご依頼者がより費用を抑え質の高いサービスを受けられると考えています。
ニつ目として、ご依頼者がより最適なところを選べるようにするということです。詳しくは、なぜ、葬儀社比較なのか 
さらに実は、葬儀社間に競争させて依頼者に選択してもらうのは、センターと葬儀社の癒着を防ぐということにもなるからです。一社だけの紹介というのは、特定の葬儀社との癒着を生みやすくなるからです。

具体的に言うと、たとえば、病院から事後に当センターに連絡をして、葬儀社を紹介して欲しいと相談される方がいます。そうすると、センターはこういう対処の仕方をします。まず、葬儀の要望(重要事項である、1場所、2規模、3予算、4内容、5日程を中心にして)をその場でお聞きし、それに応えられる適性がもっとも高い第1社目の葬儀社に病院にお迎えにいってもらい、自宅などへ搬送してもらいます。それで、まず、その社がご依頼社に説明(斎場や予算提案などのプレゼン)を行います。その後、ご依頼者がさらに違う葬儀社の話を聞きたい場合、さらに葬儀社を順に紹介するという具合です。そのようにして、葬儀社を決めてもらいます。
一社目には搬送のみになってしまうかもしれないが、一番目に説明できることを言っておきます。こうすれば、一社目にも緊張感がでます。
このようにすれば、依頼者に選択の自由が確保され、なおかつ、葬儀社には変な対応をすれば依頼してもらえないという緊張感が生まれます。

センターでは葬儀社調査や見積書のチェック、施行現場の立会いなどをおこない、ある程度は葬儀社をコントロールし、緊張感を持たせることができますが、それよりもやはり、葬儀社間を同じ土俵で競合させたほうが費用の低下とサービスの質はより確実に上がると考えています。

病院関係者の方に、少しでも参考になればと思います。