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南多摩斎場の施行例１

　平成１８年６月会葬者４５名ほどの無宗教葬の通夜に立ち会いました。花祭壇の季節の花・芍薬が梅雨空を吹き飛ばすように咲き誇っていました。依頼者で喪主の方は大学の先生ですが、ご両親の見送り方でこれがベストだと思うときっぱり、家族葬に決められたようです。このような立場の方が近親者だけでおやりになる難しさも立会いで見てきましたので一抹の不安がありましたが、結果は見事に仕切っていらっしゃいました。最初の挨拶だけを葬儀社サイドの担当者がしましたが、直ぐ喪主にバトンタッチをして、後は喪主の司会で進行しました。喪主の方は最初に無宗教で家族葬にした理由をお話になりました。
「親父は自由な考えの人で１番親父にふさわしい葬儀はと思いまして無宗教で親父に近いところで繋がっている人達だけで葬儀をするのが１番と思い立ち、この様な形式にさせていただきました。皆さんにお話しをしていただいた後、献花をして２階で通夜落しをさせていただきます」。長男に続き次男の方もお父様との思い出にエピソードを交えながら快活に語り出しましたが、最後は嗚咽で思わずマイクを離してしまわれました。　献花の間は能楽を趣味とした故人がお師匠さんから謡いの手ほどきを受けているテープを流し、隣にお元気でいらっしゃるような臨場感に喪主の方が思わず「佐渡の能楽堂で薪能を見た子供の頃を思い出しました」と語り、思い出は尽きないようでした。

（斎場案内・葬儀立会い/あさがおアドバイザー・松山悦子）

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