このところ、テレビ・ラジオ・舞台で活躍中の中高年の方々の訃報が相次いでいます。
道半ばで幕を下ろさざるを得ない悔しさが、画面を通して痛いほど伝わって来ます。
先日も大病を患ったのをきっかけに、人生の幕の下ろし方を初めて考え、もう少し上げることにしましたと、40年ぶりにお芝居の再演をされた方の総稽古を観る機会を得ました。
かつて「舞台狭し」と暴れまわり、勢い余って狭い舞台から転げ落ちてしまわないかと、ハラハラドキドキしながら拝見させていただいた、往年の演劇青年の熱演で、時代は一気にタイムスリップし、最近のキナ臭い時代の様相と相まって、中高年の心情がストレートに伝わってくるような舞台に、久しぶりに心踊るものを感じたものでした。
初演から数十年、出演者、スタッフの方々も、それぞれの人生の浮き沈みを感じながら生きてきた実体験が、かつての鋭さだけが突出していた舞台に丸みを持たせ、どこか芳醇な香りまでも漂わせながら、さらに「古い・新しい」の区別なく、常に時代と格闘し、わが道を行く姿には大いなる刺激をいただきました。
健康に留意しながらも、定年で一段落され、ほっとされた方々も、人生の幕を下ろす前にもう1度ご自分自身の幕を上げてみませんか。
今度は下ろす時のことも念頭に置きながら。
先日伺った現役バリバリの先輩達の集いでも、お気持ちがお元気なうちに、ご自身の最期はご自身で考え、ご自分の持ち物はご自身の手で処理しておきましょう。
残されたものが困るだけですので・・と大いに盛り上がっておりました。