先日、通夜の後は一晩故人と一緒に家族だけで過ごしたいが、公営斎場でも大丈夫かとのご質問を頂きました。
消防法ではお線香等は21時までと決められていますが、コロナ禍で大変な状況の中、お泊りだけでしたら今のところ大丈夫なご様子です。
しかしながら、刻一刻変動する現状の中、先が読めないことも事実です。
最期の晩をどの様に御過ごしになられるか。
ご喪家にとって1番の忘れがたい日を、思い出としていかに心に刻んでいただけるか。
御葬儀担当者にとっても最大の関心事ではありますが、昨今のコロナ禍の中では出来るだけひっそりと、声を大にするのもはばかられるのが現状です。
手元に以前ご相談者から頂いた手紙がございます。
当初の御相談メールでは闘病中のお父様のご容態は今すぐという程ではないが、お父様の為にも出来るだけ慌てないで対処されたいと綴られておりました。
一方のお父様は、看病疲れのお母様の為にも、最期は家族だけで静かに見送ってほしいとのお考えです。
しかしながら、センターとのやり取りの中で、ホームページに記載されている「家族だけでお見送りすることも大事だが、長年の付き合いの中で最期のお別れをされたい人の気持ちを汲んであげることも大切」のくだりが頭から離れず、親戚から「お見舞いも拒否され、最期のお別れも出来ないなんて辛すぎる」との申し出に、どうぞお出で下さいと言えたことで、一生の悔いを残さずに済みましたと感謝のご報告が綴られております。
3ヵ月後の御葬儀ではご親戚の方々が掛け参じ、通夜の夜は皆で大広間に雑魚寝され、「さながら合宿所の様相を呈し、翌朝はバケツリレーよろしく、大広間にお布団の山が築かれたのは圧巻でした。通夜の一晩が思い出深く、心に刻まれた気がします」とお気持が記載されておりました。
コロナ禍以降の御葬儀は如何に・・・?