一日葬で気を付けたいこと

 一日葬、お通夜を行わず、告別式と火葬で終えるお葬式で、最近ではこの形の葬儀を選ぶ方が増えてきました。
 高齢の親戚が二日間葬儀に参列するのが難しい、費用が少しでも抑えられるのなら・・・、本人から火葬してくれればいいと言われているが、家族としては火葬だけでの葬儀では寂しすぎるのでゆっくり故人を偲びたい、など理由は色々あります。
 
 以前、菩提寺がある方からのご相談で、ご相談当初より一日葬での葬儀を希望されていました。
 この方の状況は、ご本人の兄弟の方が高齢のため、二日間の葬儀で参列するのが難しく、また、費用を出来る限り抑えたい、ということだったのですが、ご相談の中で菩提寺があるという話しを伺ったため、菩提寺のご住職に葬儀は一日葬にしたいとお伝えいただくようにお願いしました。
 後日、ご相談者から再度ご連絡があり、菩提寺のご住職と話をしたとのこと。ご住職からは、通夜を省いてはいけない、通夜も行ってください、と言われたそうです。

 このような場合、例えば、ご家族だけで通夜を行い、翌日の告別式にご親戚の方々にご参列いただく、というやりかたもあると思います。
 葬儀式場は、公営の斎場などはほとんどが二日間を1回の葬儀としていますので、一日葬でも二日間の使用料がかかります。そのような式場を利用した場合、一日葬であっても通夜にあたる日には祭壇が飾られ、葬儀の準備が整っているますので、菩提寺のご僧侶にお越し頂き、ご家族だけで通夜を行うこともできます。

 他のご相談で、菩提寺のご住職に相談したところ、枕経をあげさせてもらえれば、通夜は行わなくても大丈夫と言われたという方がいらっしゃいました。
 枕経をあげていただくには、安置の場所を選ばなくてはなりません。安置所を利用する場合には、お経をあげてもいい安置所に安置する必要があります。
 このご相談では、センターからご紹介した葬儀社が自社に安置所を保有し、ご安置中にお経をあげても大丈夫なところだったため、無事に一日葬での葬儀を執り行う事ができました。

 一日葬というと、費用や時間、身体的な負担が軽減できる、と安易に選ぶ方もいらっしゃいますが、このような例のほかにもスムーズに運ばないケースがあります。
 センターではそれぞれの状況を伺いながら、アドバイスをさせていただきます。

一日葬

 事前相談では初めて葬儀を行う方からの相談が多いですが、過去に葬儀を出す経験をされた方からのご相談もあります。

 以前の葬儀で残念な想いをされてしまった方だけでなく、以前依頼した葬儀社が無くなっていたとか、ずいぶん前のことなので・・・というご相談もあります。

 先日お受けした事前相談では、ずいぶん前に一度葬儀を出した経験があり、また、ご相談者は仕事関係や知人のご葬儀などで参列した経験も多く、そこで対応していた葬儀社のことや、斎場のことなどもよくご存知でしたが、一日葬でも丁寧に対応してくれるところを紹介してほしいというご希望がありました。
 以前は通夜・告別式を行う二日間の葬儀で送るのがあたりまえとされていた頃を過ごされてきたご相談者でしたが、今は一日葬という葬儀のやり方があり、一日葬にするメリットをご自身やご親戚の状況に当てはめたうえで、ご自身達の状況の中では最良のやり方だとご判断されたそうで、既にお身内や菩提寺のご住職からもご了解をいただいていらっしゃいました。

 葬儀の内容も年々少しずつ変化があり、私個人の感覚では、最近直葬よりも一日葬で行いたいと希望される方が増えてきたように感じているところがあります。
 火葬のみでは忍びない、少しでも長くお別れの時間をとりたい、ということで一日葬をと希望される方や、参列者の高年齢化も影響し、前に葬儀を出した経験がある方などで、本来通夜・告別式の二日間の葬儀をするのがあたりまえだと思っていた方が、参列者の負担を考え、一日葬を選ばれることも少なくありません。
 また、直葬よりもゆっくりお別れを、二日間の葬儀では負担が・・・とご相談いただいた際には、にはこちらから一日葬を提案させて頂くこともあります。
 
 一日葬という葬儀が一般的になりつつある場合でも、もちろん、菩提寺のご住職やご家族ご親族の意見なども聞き入れて調整する必要がある場合もあります。
 
 いずれにしても、大切なご家族の葬儀は、ご遺族の満足がいくかたちで行なえることが一番だと思います。
儀は、ご遺族の満足がいくかたちで行なえることが一番だと思います。

菩提寺と直葬と1日葬の関係は如何に・・・。

  2年半程前、お母様が危篤状態に陥り、時間が限られ、経済的にも余裕がないので早急にお電話でご相談されたいとのメールをいただきまし
た。

 夜遅い時間でしたが、ご連絡を致しましたところ、火葬のみで幾ら位掛かるか至急お知りになりたい。また、都内の菩提寺に火葬のみでも許可
を頂けるか問い合わせているが、当のご住職がお留守で、連絡をお待ちしているがご心配とのこと。

 1人っ子でご相談する相手もいらっしゃらなく、万が一の状況が何時来るかも分からない中、当のお母様は年金もなく、ご相談者は小さなお子様
2人を抱えたシングルマザーでローンを抱えており、金銭的にかなり厳しい状況であることを率直にお話し頂きました。

 ありのままをお話されるよう申し上げた3日後、「あれから意を決してご住職にお話したところ、そういう理由でしたらと、戒名のことも含め、
火葬が終わってからご相談に乗っていただけることになりました」。
 第1関門突破でほっとされたご様子に、こちらも胸を撫で下ろしたのがつい昨日のように思い出されます。

 昨年末から今年にかけて、菩提寺はあるが、ご事情でお式は出せず、直葬のみにされたい、または1日葬のみにされたいとのご相談が相次ぎまし
たが、いずれもご住職に現状をお話されて、了解済みとのこと。

 昨年末にご相談いただいた方はご事情でお父様のご葬儀は直葬を希望されていらっしゃいましたが、ご親戚の反対に遭い、1日葬に変更されて、
お近くの葬儀社さんにご相談された折、昔気質の担当者の方からは「いろんなものを端折った1日葬はやらない方がよい。何よりもご住職が許さな
いだろう」と言われましたが「費用を抑えたいことをご住職にお話した時、直葬をOKしてくれたから、1日葬も大丈夫」と反論されて、その場でご
住職にご連絡を取り、1日葬でもOKの確認をとられたとのお話しでした。

 また、横浜での直葬をご希望のご相談者も、以前ご主人側のご葬儀の際、後から追加が次々と出て、当初の予定よりもかなりの金額になってし
まわれたので、お母様のご葬儀は搬送先の安置所にご家族だけお集まりになり、読経をしていただいた後、そのまま南部斎場での直葬のご希望を、
菩提寺のご住職にご相談されて、すでにご承諾を得ていらっしゃるとのこと。

 本来の仏式のご葬儀では通夜、葬儀・告別式の一連の流れに本義があり、直葬、1日葬に省略されることへのご理解は難しいとも言われておりま
したが、多様化の現代に合わせた菩提寺が急に増えて来ているように思われます。

 まずは、菩提寺にご相談を!

一日のみのご葬儀

 最近、一日葬をご希望されているというご相談を立て続けに受けました。
 
 ご本人が、「自分に万が一のことがあったら、葬儀は火葬だけにしてほしい」と話されていたそうなのですが、ご家族としては、父の葬儀なので、火葬のみというわけにはいかないだろうということで、告別式のみの一日葬をご希望されるケース、また、「母は高齢なので、兄弟ももう亡くなっていて、見送るのは子供たちとその家族だけ、しかも、皆仕事が忙しく、なかなか休みもとれないので、一日葬を考えているのですが」とおっしゃるケースなど、一日葬をご希望される方の事情は様々です。

 一日葬は、通夜振舞いの必要がなく、斎場についても、一日の使用料のみで利用できる式場を選べば費用が抑えられるほか、お仕事などでなかなかお休みの都合が付けづらい方などが利用するにはとてもよいかたちだと思うのですが、一方で、特に菩提寺様がいらっしゃる場合については難しくなることもあるようです。

 仏式のご葬儀で菩提寺様がいらっしゃる場合には、まず、菩提寺のご僧侶に来ていただくことになりますが、本来、お通夜にも意味があることから、一日のみのご葬儀をされないご僧侶もいらっしゃいますので、まずは菩提寺にご相談をしなくてはいけません。
 
 先日のご相談では、一日葬を希望していて、葬儀には菩提寺のご僧侶に来ていただくことになるとのこと。お寺のご住職は、以前身内の葬儀の時に来ていただいて以来、代も変わってしまい、その後はほとんどお話しをする機会がなく、疎遠になっていて、まだ一日葬を希望していることはお話ししていないとのことでした。
 ただ、一日葬の場合には、まずは菩提寺のご住職に相談していただいてからでないと、お話しを進められませんので、まずは菩提寺様にご確認してみてくださいとお話しをさせていただきました。

 数日後、ご相談者様より、「菩提寺のご住職とお話しをしたところ、一日葬でのご葬儀はやっていただけないとのことでした。ただ、葬儀の式場はお寺の本堂を使わせていただけるとのこと、また、このことで、お寺との意思疎通ができました」と、ご安心されたご様子のご報告をいただきました。
 
 直葬や一日葬は、宗教的な面や、家族・親族などの考え方によって思うように進められないこともありますので、ご希望されている場合には、一度ご相談いただければと思います。

1日葬と菩提寺の関係は如何に・・・。

 都会を中心に最近は、各家庭の事情に合わせたやり方のご葬儀が、多く見られるようになりました。
 と言っても、特殊なやり方があるのではなく、会葬者の人数や、式場を使う、使わないの違いで様々なネーミングが施され、一方でそのネーミングが一人歩きして、特別なことのように思われる節もあるようです。
 例えば、費用の面、親族の方々への負担等を考慮して、通夜、葬儀、告別式の順序を踏まえないで、葬儀・告別式1日だけのご葬儀を希望される方も増えつつあります。
 この1日葬のことは別名、ワンディセレモニーとも呼ばれ、忙しい都会生活者に合ったご葬儀として評判をよんでいるようです。
 2日間に渡るご葬儀は時として遠方からのご親族にとり、とんぼ返りの往復を余儀なくされる場合もあり、特にご高齢の方々には負担も大きくなります。
 1日葬、これは都会人にとって自然な現象かなと思っていると、思わぬところからの待ったが掛かる場合があるようです。
 
 仏式でのご葬儀は、通夜・告別式共にご住職に読経をお願いしますが、菩提寺がない場合やあっても遠方で当日来られない時は、葬儀社の方でご住職の手配をいたします。
 1日葬でも同様です。
 しかし、葬儀社が手配したご住職の場合は問題ありませんが、菩提寺のご住職にお願いする場合に、ご住職の方からクレームがつくことがある、との情報を葬儀社の担当者から受けました。
 当センターではクレームとしてまだ伺っておりませんので、センターの賛同社数社に聞いたところ、ご住職にそれほど気を使うことはないというと社と、時としてクレームがつくことはあるという社それぞれでした。
 
 ご住職側からすると、通夜と葬儀では読経が違いますし、意味合いも違いますとのことです。

 いずれにいたしましても、1日葬をご希望の方は前もって菩提寺にご相談されることを希望します。
 但し、菩提寺からの戒名つきお布施代は1日でも二日間でも変わりませんので、念のため・・・。 
 
 

ご家族だけでゆっくりとしかも古くからの友人もできるだけ多くお呼びしたいと考えた1日葬とは・・・。

 世間では「後期高齢者」の呼び名がかまびすしいが、定年時代を迎えた団塊世代は今 、戦後の高度成長をひた走ってきた両親を見送る現実に直面しています。
 今まで走り続けて来たからには、せめて最後はゆっくりとご家族だけで送ってあげたい反面、戦友のようにいっしょに仕事に励んできたお仲間を1人でも多くお呼びして見送ってもらいたいという思いが交差しています。
 できれば両方をうまく取り入れてできないものだろうかという思いをお持ちの方も増えてきています。
 従来の葬儀の枠の中だけでなく、見送り方もそれぞれの家庭の条件にあったやり方で行きたいと願う依頼者に葬儀社の担当者も柔軟な姿勢を見せているようです。
 
 例えば、ご自宅に搬送され、葬儀当日まで数日間ご家族と過ごし、当日納棺後斎場に移され、1日だけのご葬儀にします。ご家族とゆっくり過ごす時間が保たれ、しかも葬儀・告別式では思い切り仕事仲間や後輩の方々にお出でいただくことができます。但し、金銭的な面で考えると斎場費が1日でも2日でも使用料が変わらないところが多いので割高感はあります。その代わり通夜の読経代やお清め用のお食事代が浮きますので、その分ご自宅での棺やお蒲団の周りにお好きな花を飾ることができるようになります。
 ここ1~2年葬儀内容もいろいろと変化が求められて来ているようです。

1日だけのご葬儀を選んだ理由は・・・

 「葬儀」とは昔からの決まりごとが沢山あり、それに従っていかなければと思い込んでいた節があるようです。また突然のことゆえ独自の案も中々思い浮かばず、皆がやる方法でということになりがちでしたが、最近は都会を中心に自分達の意見を入れた、バラエティに富んだやり方も目立ってきているようです。
 
 その一つに「1日だけの葬儀」があります。
 通常ですと前の晩の通夜、翌日の葬儀・告別式、初七日法要までの長時間になります。それを葬儀・告別式のみにされるのです。
 1日だけですと費用の面もお清めのお食事代が省けますし、公営の時間貸し式場費、俗名でのお布施代等が減額され、式場によっては半額近くになるところもあります。
 列席される会葬者の方々もご高齢者の方が増えてきたので、昼のご葬儀のみに出席を希望される方が多くなりました。
 特に、無宗教葬の場合は1日だけの献花でのお別れ会にされるようです。
 中には棺を囲んだパーティ形式で故人を偲ぶやり方もありました。
 インターネット等から色々な情報を得て、自分流、我が家流の葬儀の仕方をはっきり打ち出すやり方が増えていくことでしょう。
 
 
 
 

「娘に遺言として私の葬儀を準備しておきます」

 「万が一の時はこちらに連絡してほしいと言っておきたいのでお電話しました」快活な声が電話口に飛び込んで来ました。
 「来週癌の手術で再入院しますので、娘に遺言として手渡しておきます。まだ時間がありますので急がなくて大丈夫です」
 こちらが一瞬言葉に詰まった空気を読み取り、依頼者に逆に励まされてしまったようです。
 
 9ヶ月後、葬儀社にお嬢さんから連絡があり、葬儀社の自社斎場で1日だけのご葬儀を執り行うことになりました。
 
 遺言代わりの葬儀社の見積り書といっしょにまず第1に無宗教で散骨にしてほしい、葬儀・告別式を1日だけにしてご家族ご親族のみで見送ること、できるだけ費用を掛けないシンプルな葬儀を心がけてほしい等が明記されていました。
 見積り書は葬儀社の自社斎場と千葉市斎場の2種類をお渡ししていました。

 ご自分の葬儀を事前に準備でき、ご家族にそれとなくお話しておくことができるのも元気なうちです。気持ちが強く、前向きの時でないとなかなか踏ん切りがつかないようです。
 人生を見つめ直すためにも、これからの生き方を考えるためにも最後の準備を考えてみませんか。

 
 

 

1日だけの家族葬

 通夜に宗教者や会葬者を呼ばずに御家族だけで故人を偲ぶ。
 あるいは葬儀・告別式の1日だけの式にするという形態が増えつつあります。
 特に菩提寺を持たないで家族葬をご希望の方の中に多いようです。
 お身内だけで静かに見送りたい点、また費用の点でも抑えることができます。
 読経代も1日だけですし、通夜のお料理等は要らず、式場費も公営の斎場ですと時間貸しのところや通夜と告別式を分けているところもあり、民営の貸斎場の中にも費用の全体の3分の2位になるところもあります。

 昨年立ち会った葬儀の中にも幾つか見られました。
 岩子会館(東京都町田市)での式の場合は通夜は御家族3名がご遺体のそばで過され、翌日の葬儀告別式をご親族だけで執り行いました。
 
 また、中道寺会堂(東京都杉並区)での式の場合は告別式当日朝9時にご自宅で納棺され、そのまま自宅から式場に搬送されました。
 前夜ご自宅で家族だけの通夜を行ったそうです。
 12時からの葬儀・告別式の後、繰上げ初七日が行なわれ、13時出棺となり、出棺後は斎場に戻らず、近くのホテルでのお食事会となりました。
 この方の場合はご遺族の仕事の関係で時間が取れず1日だけの式になったようです。
 読経代や通夜の食事代の浮いた分で火葬料を特別室にしたり、ホテルでのお食事会代にあてたそうです。
 
 新井白石記念ホール(東京都中野区)での無宗教葬でお別れ会の場合はパーティ形式で全てご喪家が取り仕切り、葬儀社の担当者は黒子に徹してご喪家を支えました。式場にご喪家手作りの料理を持ち込みましたので階下のお清め室も利用せず、式場と親族控室のみの使用となりました。
 岩子会館、中道寺会堂の場合は式場の使用料は1日でも2日でも変わりませんが、新井白石記念ホールの場合は半額になりました。