最近、一日葬をご希望されているというご相談を立て続けに受けました。
ご本人が、「自分に万が一のことがあったら、葬儀は火葬だけにしてほしい」と話されていたそうなのですが、ご家族としては、父の葬儀なので、火葬のみというわけにはいかないだろうということで、告別式のみの一日葬をご希望されるケース、また、「母は高齢なので、兄弟ももう亡くなっていて、見送るのは子供たちとその家族だけ、しかも、皆仕事が忙しく、なかなか休みもとれないので、一日葬を考えているのですが」とおっしゃるケースなど、一日葬をご希望される方の事情は様々です。
一日葬は、通夜振舞いの必要がなく、斎場についても、一日の使用料のみで利用できる式場を選べば費用が抑えられるほか、お仕事などでなかなかお休みの都合が付けづらい方などが利用するにはとてもよいかたちだと思うのですが、一方で、特に菩提寺様がいらっしゃる場合については難しくなることもあるようです。
仏式のご葬儀で菩提寺様がいらっしゃる場合には、まず、菩提寺のご僧侶に来ていただくことになりますが、本来、お通夜にも意味があることから、一日のみのご葬儀をされないご僧侶もいらっしゃいますので、まずは菩提寺にご相談をしなくてはいけません。
先日のご相談では、一日葬を希望していて、葬儀には菩提寺のご僧侶に来ていただくことになるとのこと。お寺のご住職は、以前身内の葬儀の時に来ていただいて以来、代も変わってしまい、その後はほとんどお話しをする機会がなく、疎遠になっていて、まだ一日葬を希望していることはお話ししていないとのことでした。
ただ、一日葬の場合には、まずは菩提寺のご住職に相談していただいてからでないと、お話しを進められませんので、まずは菩提寺様にご確認してみてくださいとお話しをさせていただきました。
数日後、ご相談者様より、「菩提寺のご住職とお話しをしたところ、一日葬でのご葬儀はやっていただけないとのことでした。ただ、葬儀の式場はお寺の本堂を使わせていただけるとのこと、また、このことで、お寺との意思疎通ができました」と、ご安心されたご様子のご報告をいただきました。
直葬や一日葬は、宗教的な面や、家族・親族などの考え方によって思うように進められないこともありますので、ご希望されている場合には、一度ご相談いただければと思います。