地元の斎場

以前、当センターの賛同葬儀社さんから、知人が亡くなり、家族から葬儀の相談があったのですが、自社の対応地域ではないので、近隣の賛同葬儀社さんを紹介してもらう事はできますか?との連絡をいただきました。

その葬儀社さんと故人様のお住まいは少し離れてはいるものの、出来ない地域ということではなかったかと思うのですが、使ったことがない式場での葬儀は何かがあったときにご喪家に迷惑がかかってしまうので、地域に精通している所の方が安心して頂けると思われたようです。

ネットで広範囲の対応地域を謳っている葬儀社も少なくありませんが、実態は小さな事務所やマンションの一室でごく少数の人員で請け負っているような葬儀社もあると耳にしたことがあります。

多くの葬儀社が使う斎場では、お互いが担当するご喪家に迷惑がかからないようにと、葬儀社間で暗黙のルールがあるところもあるようで、それを知らない遠方から来た葬儀社の担当者が勝手な行動をしたために、他のご喪家の方にまで迷惑がかかってしまっていたという話しを聞いたことがありました。

センターからご紹介させていただく場合でも、できる限りご要望の斎場について熟知している葬儀社を選んでご紹介させていただいています。

言われるがままにしなくても大丈夫です

事前相談では、「初めて葬儀のことを考えなくてはならない状況になり、何も分からないので」というご相談が多い中、「以前に経験した葬儀で全て葬儀社さんの言いなりになってしまったことが反省点になっている」、と、過去に行った葬儀のときと同じ思いをしたくないという理由からご相談をいただくこともあります。

ご依頼者が葬儀についてよくわかっていないのをいいことに、葬儀社に都合がいいように話しが進められ、そのままの流れで葬儀を終えてしまうということなのでしょう。  

それを不満に思い、次の葬儀では同じ思いをしないためにと色々お調べになって、センターにご相談をいただくことがあります。

以前執り行ったお父様のご葬儀の際、、喪主のお母様が葬儀社とのやりとりの全てを行ったそうですが、葬儀後に、「思うような葬儀ではなかった、祭壇のイメージも全然違うし…」とこぼされたという話を聞いたことがあります。

葬儀社主体で話しが進み、言われるがままに従って、唯一、祭壇について口を出せたものの、思うようにはなっていなかったとのこと。

初めての葬儀で何も分からず、葬儀屋の言うとおりにしていればいい、例えばランクを下げたいなどと言ったら悪く思われて、ちゃんとやってもらえないのではないかという思いと、プロに任せれば間違いないと思っていたそうです。

ご相談では、ご相談者と葬儀社の間にセンターが入ることで、ご相談者の要望はセンターを通して葬儀社に伝えることができます。特に事前相談で時間がある場合には、ご要望の変更に伴って概算見積の再提出などもできますし、葬儀社さんに直接言いづらいことなども、センターを通していただけます。


多くの方に、ご喪家のご要望に出来る限り協力してくれる葬儀社さんもあるということを知っていただければと思っています。

見積書と請求書の違い

サイトの「求む-葬儀口コミ & 後悔した葬儀体験談」コーナーから、後悔した体験談をいただきました。

病院からの遺体引き取り後、葬儀の内容と見積もりについて話し合いお願いしました。葬儀後 請求書を見ると当初の見積りの1.4倍になっていました。内容を聞くと間違った見積もりをしたけれど連絡しなかったとの事で、まるで詐欺にでもかかったようでした。

これはたしかに詐欺のようなものでしょう。こうしたことをやっている社がまだあるのは驚きです。今回のみ間違えたというよりは、常態となっている社と捉えたほうが妥当な感じもします。

たしかに、見積書と請求書が違うことはあります。会葬者数の違いにより接待に使われる額は変動するので、それが違ってはきます。返礼品や飲食の費用です。このことは説明するのが当たり前でしょうし、説明されれば誰でも納得できる話です。

本来説明し納得してもらうことなど、担当者とご家族側とのコミュニケーションがまずくて意思疎通ができず、トラブルになることはあります。とくに、やっつけ仕事をしているようなところでそうなる可能性がでてきます。それでも、「間違った見積もりをしたけれど連絡しなかった」という言い訳を聞いたことがありません。

体験談を寄せてくれた方が、なぜこの社を選んだのか、わからないのですが、地域のかかわりの中で選んだ社であるとすれば、この会社の継続は難しくなるでしょう。なので、通常こういうことはしないと思われます。会社の継続など考えていないネット集客の社であるかもしれません。

葬儀社選びは変わらず難しいことに変わりありません。

葬儀の事後相談

葬儀の「事後相談」というと、葬儀社などでは、葬儀を終えた後の相続や手続き、仏壇やお墓についての相談を指す言葉として使っていることが多いようですが、センターでは、お亡くなりになられた後に葬儀社をご紹介するためのご相談を「事後相談」としています。

急なご逝去や事前に葬儀のことを調べる気持ちになれなかった、など、葬儀や葬儀社についての情報を持っていない方にとって、大切なお身内の方がお亡くなりになったばかりの段階に、冷静に葬儀社を選ぶということは難しく、何も考えずに病院に入っている葬儀社にそのまま依頼してしまう、というケースも多いと思います。

以前、急なご逝去で警察から葬儀社を紹介されたが、その葬儀社がどのような葬儀社なのかよくわからず、ご自身でその社について調べられていた際に当センターのサイトへご訪問頂き、ご相談をいただきました。

警察や病院から紹介される葬儀社が良いとか良くないということ以前に、その葬儀社の事をよくわからないまま、大切なお身内を送るご葬儀を任せることの不安は大きいかと思います。

センターではお聞かせ頂いた情報を踏まえたうえで、葬儀社をご紹介していますし、ご紹介の際にもその葬儀社がどのような葬儀社なのかをお伝えしています。

また、葬儀社が発行する見積書や請求書のチェックも行なっていますので、「よくわからない」や「わけのわからないのが追加されていた」などのご不安は軽減して頂けるのではないでしょうか。

オプション

 「オプションが用意されているものでも、自分達で準備できたら費用も抑えられるなど、葬儀社にとっては不利益であろう提案もしてくださり、ありがたかった」
 以前、ご葬儀後に上記のようなアンケートをいただいておりました。

 先日、お身内の方がご逝去されたので葬儀社さんのご紹介をとのご相談をお受けした際、お話をお伺いして、早速にリーズナブルな価格で、ご要望に合うと思われます前記の賛同社さんをご紹介させていただきました。

 しかしながら、しばらくしてご相談者から、センターにお問い合わせをいただく前にご相談された葬儀社さんの方にお決めになられた、との連絡をお受けする羽目になってしまいました。
 決め手は他社さんの方がより低料金であるとの由。

 ところが、実際に担当者の方と打ち合わせに入ったところ、基本料金の他にご葬儀に必要とのことで、様々なオプションが掛かり、葬儀総費用はかなり高額になってしまわれた御様子です。

 当初お伺いした金額との差に不信感を持たれたご相談者から、再度センターがご紹介した社に変更されたいとのご連絡をいただきました。
 
 更に、他社さんの担当者は費用の他にも最短のご葬儀日程を決められたが、当日は友引にあたり、それについてのご相談もなく、ご親族からはクレームが入る始末との事。

 ご相談者の事情をお伺いした当方紹介の担当者さんからは、早速に他の葬儀場への日程変更、ご葬儀に最低限必要なもの、ご希望で必要なもの等の説明をし、ご納得いただき、無事ご葬儀を終えることができました。

 ご葬儀にご出席される機会はございますが、ご喪家側になられるのは初めての方が多いかと存じます。
 ご喪家のご要望も様々ございますが、ご葬儀だけはやり直しがききません。
 ひとえに担当者のどれだけ親身になってお世話できるかに掛かってきます。

 少しでもご納得のいくご葬儀ができます様、賛同社の担当者とこれからもスクラムを組んでご紹介させていただければと存じます。

見積もりが安いと思って依頼しそうになったが・・・

 昨日、事後の相談を受けた方から、本日も連絡がありました。昨日の段階では、当センターの紹介社と、当センターの紹介社ではないA社さんを、比較されて、特に見積もりを見比べて、A社さんに依頼することになっていました。

 それが、どうして?

 葬儀社をチェンジしたいということです。
 A社とトラブルになりそうだ。見積もりを見て安いと思ったが、いざ打合せを進めていくと3倍にもなった。何より、対応が我慢できそうもない、と。

 3倍は珍しいですが、実のところ、こうしたことは、少なからず起こっています。
 過去に一回でもこうしたことがあると、より慎重になりますし、我々のような存在が間に入ってくれる安心感も感じてもらえます。

 何より、最初の見積もりを見て安いと思って飛びついたはいいが、話が違う場合、そういう不誠実な社と直接に、やり取りしないといけないのは苦痛です。それでも、途中でチェンジする労力を考えて、仕方なく、その社に依頼することも多いようです。周りの親戚の手前、トラブルになっている状況を見せたくないという心理が働くこともあるでしょう。
 誰も間に入って調整してくれません。葬儀が終わった後に、消費者センターのようなところに苦情を言うぐらいで気分を落ち着かせて終わりかもしれません。

 事後から葬儀社を探す場合、時間的余裕もないので、ネットで調べた見積もりを少し比べて、早く葬儀社を決めたいということはあるでしょうが、その見積だけで判断するのはリスクが伴うことも理解しておいたほうがいいでしょう。

事前に葬儀の事を知っておくのが必要だと感じた

 そろそろ葬儀のことを調べ始めようかと考えていたところ、お父様のご容態が急変し、のんびりしていられない状態になってしまって、というご相談を頂きました。
 以前、ご親戚の葬儀打ち合わせに同席した際に、依頼した葬儀社のことも葬儀のことも何も分からない状態で、葬儀社の勧められるままになってしまっていたことを間近で見ていたため、事前に葬儀の事を調べたり、葬儀社を決めておくことが必要だと感じたとのこと。
 ご相談では、葬儀の流れやどのくらいの費用がかかるのか、不要な高額の物を勧められたりはしないだろうか、などのご心配なことなどのご相談から、どのような葬儀社があるのか、など具体的な話しをさせていただき、ご紹介した葬儀社でご葬儀が執り行われました。

 必要な物、使わなくてもいいもの、そんなにランクが高くなくてもいい物、逆に、少しランクを上げた方がいい場合があったり、などは、ご喪家の状況や要望によって異なりますので、どのような葬儀にしたいのか、という事をある程度整理しておくとその判断がしやすくなると思います。

 葬儀の打ち合わせは、大切なお身内の方がご逝去されてすぐの段階に行われます。その時の「判断力は普段よりも低下する」と言われている状態で行われる葬儀の打ち合わせで、葬儀のプロが言うのだから間違いないと思ってしまうのも仕方がないことですが、葬儀の事を知っていれば、不要なものを断ることは出来るかもしれません。
 また、事前に安全な葬儀社だということがわかっているところに依頼すれば、そもそもそのような心配もないのではないかと思います。

 まだご本人が頑張っているときに葬儀社に相談するということに抵抗がある方は多くいらっしゃいます。センターへご相談いただく方の中にも、まだ葬儀社と直接連絡を取るのは控えたいとおっしゃる方もいらっしゃます。
 そのような方でも、安心して葬儀がおこなえますよう、ご案内させて頂いています。

過去にだした葬儀で・・・

 以前の葬儀で嫌な思いをしたので、次の葬儀では失敗したくないと考えられている方は少なくないようです。
 センターへも、過去の葬儀で残る後悔から、葬儀社選びに慎重になっている方からのご相談を頂くことがあります。

 よくお聞きするのが、なにもわからないまま病院などから紹介された葬儀社に依頼し、葬儀社のされるがままになってしまったというケースです。
 また、最近では、ネットで探し、安いから頼んだが、対応に不満が残ってしまったという方もいらっしゃいます。

 先日も、10年ほど前に出したご葬儀で辛い思いをされてしまい、何も分からずに頼んでしまったことに後悔し、次の葬儀ではそのような思いをしないようにと、1年ほど前にご相談を頂いた方から再度、お問い合わせをいただきました。
 ご本人はお元気なので、すぐにということではないけれど、出来るときに色々調べておきたいとのことです。

 また、以前いただいたご相談でも、直葬を希望していたので、どこも同じだと思い、ネットで見つけた安い葬儀社に依頼したところ、担当者の対応に不満が残り、将来、また葬儀をだすことになったときに同じ思いをしないようにするために、とおっしゃる方がいらっしゃいました。
 そのご相談者は、親戚ももうみんな高齢になり、葬儀に参列していただくのが困難なので、家族だけで見送る直葬を選んだとのこと、費用を抑えるのに越したことはないと思って安いところに頼んだけれど、数万円の差で後悔しなくて済むのならば、次の葬儀では対応面を重視して選びたいとおっしゃっていました。

 事前に準備するということに抵抗がある方も多いと思いますが、葬儀社を決める、ということまではいかなくても、良心的な葬儀社がどのようなところなのか、ということだけでも知っておくと安心していただけるのでは、と思っています。

菩提寺との関係は良好ですか・・・。

 仏式のご葬儀の場合、菩提寺サイドでは通夜、葬儀・告別式の一連の流れに本義があり、直葬、1日葬への省略は難しいとも言われてきましたが、最近ではご喪家の事情を汲み取り、ご相談によっては臨機応変な対応も考慮されてきているようです。

 先日も当初、ご自宅のある横浜では火葬のみで済ませ、後に田舎の菩提寺にて骨葬を予定しているとのご相談でしたが、1ヶ月後のご葬儀では横浜での1日葬へと変更されました。
 喪主になられるお母様は足が不自由な上に、軽い認知症の症状もおありになるとのことで、遠路菩提寺までお連れするのは難しい状況をご住職にお話しされ、ご相談の結果、ご住職自ら横浜にお越しいただき、横浜での1日葬と相成りました。

 一方、都心に菩提寺をお持ちのシングルマザーの方からのご相談は、危篤状態に陥ったお母様には年金もなく、ご自身も1人っ子でご葬儀を執り行う余裕もないとの切羽詰まったものでした。
 ご自身の蓄えもなく、小さなお子様お2人を育てながらローンを抱え、金銭的にかなり厳しい状況にあることを率直にお話いただきました。
 ご相談される方がどなたもいらっしゃらないとのことで、まずは菩提寺のご住職にありのままを申し上げることをお勧めしたところ、3日後「あれから、意を決して申し上げたところ、そのような理由でしたら、戒名のことも含め、火葬が終ってからご相談に乗りましょうとおっしゃっていただけました」とのご報告が入りました。
 第1関門を突破した安堵感が電話口からも伝わって、お聞きしている当方も思わず力が入ってしまう程でした。

 また、以前千葉の肝っ玉母さんと呼ばれていた担当者からこんなエピソードも伺いました。
 ご葬儀のご依頼を受け、「先ず初めに菩提寺には丁寧にご連絡をお願いします」と申し上げましたが、若い喪主様はFAXで連絡され、騒ぎの発端はここから始まったとの由。
 
 FAXで事の次第を初めて知ったご住職は、地域の葬儀を取り仕切っていた菩提寺にご遺族が直ちに出向くのが当然との思いがあり、菩提寺にお伺いを立ててからご葬儀の段取りを決める手筈なのに、勝手に葬儀社を決めてしまい、しかもFAXでの事後報告には完全におかんむりの御様子です。
 枕経の当日、担当者もご挨拶に伺いましたが、ご住職からは枕経が終わるや否や「葬儀社は俺の知り合いでなければ」と怒鳴り散らされ、あまりの剣幕に喪主のお母様は泣き出す始末・・・。
 担当者も「お経を途中で終わらせてはいけないので、降ろさせていただきます」とまで申し出ると、今度は見積書を見せろと迫り、ご喪家の状況を踏まえ、出来るだけ費用を抑えた見積りを目にするや否や、「こんな安い仕事は出来ない」と怒鳴り散らす。
 罵詈雑言を浴びせられた喪主のご子息も途方に暮れるばかり。
 ついには「こんなに安くては明日の葬儀には行かない」とまでエスカレート。
 担当者が根気強く説得するうちに「お宅はどんな葬儀社さんだ」と矛先がかわり、今度は一転してご住職の方から身の上話が切り出される始末。
 息を詰めて事の成り行きを見守っていたご親族はあっけにとられているご様子でしたが、いつの間にかご住職から「安い葬儀があったらそちらに回すか」とまでの友好ムードに変身し、「帰りは会社まで送っていく」との申し出がなされた由。
 一旦は丁重にお断りいたしましたが、仲直りの為にも同乗させていただいたとのことです。
 疎遠ぎみの菩提寺との意思の疎通も大切です。

「家族葬の大変さを実感しました」

 毎週日曜日掲載の4回シリーズ「弔いのあり方」という特集を朝日新聞がやっています。その第二回で、遺言通りに家族葬にしたご家族の話が載っていました。「家族葬の大変さを実感しました」という内容です。

 その大変さとは、葬儀の仕方とか段取りとか内容に関するものではなく、もっぱら、周りの人からの反応に戸惑ったというものです。
「なんで教えてくれなかったの」に始まり、「この前の葬儀(先に亡くなった配偶者の葬儀)に比べると質素でかわいそう」「えらい扱いだ。こんな目にあわせて」「友だちだってお別れを言いたい。それを遮るのはおかしい」といった具合です。故人の遺言であることを告げても、なかなか納得してもらえなかったそうです。

 これはなかなか難しい問題です。最終的には、喪主などの決定する人が、どこに視点をおくかで、やり方も変わってくることになります。あくまで故人の遺志を尊重するのか、周りの人の意向をくみ取るのか、くむとすれば、どういった人の、どこの範囲の人まで、なのか・・・・。みんなが納得するようにするのは難しいところです。

 センターの受けた事案でも、故人の意向は家族葬であったが、一般葬にして、良かったという人もいれば、意向通りに家族葬にして何ら問題はなかった、ということもあります。一般葬にしたが、あわただしくてゆっくりお別れすることができなかったので、次のときは、家族葬にしたい、という人もいます。

 ともあれ、みなに納得してもらうのは難しいかもしれませんが、決定する立場にある人は、それまでのつながりの中で、この人の言うことであれば納得、間違いない、仕方がない、と言ってもらえるような状況にしておければ、それにこしたことはありません。