「娘に遺言として私の葬儀を準備しておきます」

 「万が一の時はこちらに連絡してほしいと言っておきたいのでお電話しました」快活な声が電話口に飛び込んで来ました。
 「来週癌の手術で再入院しますので、娘に遺言として手渡しておきます。まだ時間がありますので急がなくて大丈夫です」
 こちらが一瞬言葉に詰まった空気を読み取り、依頼者に逆に励まされてしまったようです。
 
 9ヶ月後、葬儀社にお嬢さんから連絡があり、葬儀社の自社斎場で1日だけのご葬儀を執り行うことになりました。
 
 遺言代わりの葬儀社の見積り書といっしょにまず第1に無宗教で散骨にしてほしい、葬儀・告別式を1日だけにしてご家族ご親族のみで見送ること、できるだけ費用を掛けないシンプルな葬儀を心がけてほしい等が明記されていました。
 見積り書は葬儀社の自社斎場と千葉市斎場の2種類をお渡ししていました。

 ご自分の葬儀を事前に準備でき、ご家族にそれとなくお話しておくことができるのも元気なうちです。気持ちが強く、前向きの時でないとなかなか踏ん切りがつかないようです。
 人生を見つめ直すためにも、これからの生き方を考えるためにも最後の準備を考えてみませんか。