葬儀の事前相談をされる方は、どの方でも『複雑な想い』があると思います。
「万一のときに慌てないように」、「思うような葬儀を行いたい」など、葬儀についての準備を前もってすることによりご家族の気持ちが整い、葬儀に対する不安な気持ちの負担が軽くなるというメリットがあるということが分かっているけれど、その裏側には、「本人が頑張っているのに・・」、「まだ生きているのに・・」という心の中の葛藤がある方は多いです。
電話のご相談では、葬儀について積極的にご相談されているように思われる方でも、やり取りの中でほろっと「まだ亡くなっていないのに、こんな相談をしていいのかわからないんですけど・・」とこぼされることもありますが、万一の時にどうなってしまうのかという不安の方が大きいのかもしれません。
なんとなく漠然とした不安をずっと持ち続けているよりも、分からなかったことが明確になったり、万一の時に信頼できる葬儀社にすぐに連絡できるということは事前にご相談をされた方ならではの安心があるように思います。
お電話でのご相談で、事前の段階で周到に葬儀の準備をすることには本当は抵抗がある、ということと、万一の際には火葬のみでの葬儀にしたいが、火葬のみでの葬儀にしてもいいのだろうかと葛藤があるとお話しされたご相談がありました。
他の親戚には事前に相談をしていることを知られたくないとおっしゃっていましたが、万一の際には慌てて失敗はしたくないとお話しされ、事前の段階で火葬のみでの葬儀について色々とご理解され、「火葬のみを選ぶことに逡巡もありましたが、葬儀が終わった後で、罪悪感も後悔も感じずにいられることを感謝しています。」とご葬儀後にご協力頂いたアンケートでご葬儀の時のお気持ちをお知らせくださいました。
ご心配な方がいらっしゃる状況での事前相談は、実際にご相談される方にとって迷いもあると思います。
心配が大きくなってきたときや、どうしたらいいのかわからなくなったときに、不安な状況を少し軽くしたいくらいの気持ちでご相談されるのもいいかもしれません。