さり気ない気遣いが、大きな力となります。

 お身内のご不幸で、心が乱れ、不安で押し潰れそうなご家族の方々にとって、平常心を保つことが困難な状況の中、ご葬儀の担当者からさり気なく受ける気遣いが、何にも増して大きな励みとなっているようです。

 今年初めにいただいたアンケートでも、お誕生日間近にお亡くなりになられたお父様を病院から一旦ご自宅にお連れし、ご自宅にて最後のお誕生日をお迎えになられた後、ご葬儀が執り行われる斎場の安置所に移動される際、柩の脇に置かれたケーキが処分されそうになるのを見つけた葬儀社の担当者は、少しでも皆様の思い出となるようにと家族の思いが込められたケーキをカメラに収め、納棺されたお父様のお手元に置かれたとの由。
 最後のお誕生日のケーキはご家族皆様にとりましても、特別なものとなられたご様子です。

 また、お母様を先に亡くされ、お父様のご葬儀を出された1人っ子のご相談者からは、ご葬儀の後、担当者から「心に残るご葬儀だった」とのお手紙を頂き、ご相談する相手もなく「これで良かったのかなと悩んでいた私の気持が少し軽くなったような気がしています。1人っ子の私でしたので、無事父を見送ることが出来たのも、皆様のおかげだと感謝しています」とのご報告をいただいたことが思い出されます。

 さらには、お父様のご葬儀の打ち合わせの時から簡潔で分かりやすい説明をして、親身になって頂いたとご回答いただいたご相談者からは、耳の遠いお母様に聞こえるように話してくれ、他の担当者と打ち合わせ中にも、お母様だけが一人でポツンとしないように常に心掛けて話しかけてくれたのが、当事者のお母様にとって何よりも嬉しかったようですとのご報告もいただいております。

 ご高齢で長患いだったお母様をお見送りするお気持ちの整理は出来ていた、とおっしゃるご相談者からは、ご葬儀の担当者がご喪家のお気持をくみ取って、時には明るい笑顔で対応していただき、心静かになることができましたとのご報告もいただいております。

 小規模なご葬儀が増える中、ご喪家のお気持を汲んだ担当者の気遣いが、より重要視されてきているようです。