一生の内に経験する儀式の中には時代とともに消えてしまったり、特別な人だけが継承するだけになってしまったことが沢山ありますが、唯一絶対的に残るのはお葬式だと思います。
そのお葬式も時代が変わっても変わらないものの代表のように言われていましたが、生活様式や意識変化により様変わりを見せ始めています。
これから親の葬儀の準備をする方も、すでに見送られ後悔の念をお持ちの方もご自分の葬儀を考えたことはありますか。
自分だったらこうしたいと言うことを具体的に決めておきましょう。
もしも本人が事前に決めておけば残されたご家族のためにもなり、それよりも何よりも自分の心の準備になると思います。始めるのは何時でも構いませんが、思い立ったが吉日です。
心の整理にもなり、これからの生き方を考えるきっかけにもなると思います。
情報を集めたり、具体的なことを考えることができるのは元気な時です。
葬儀に関心を持つ一つの手立てとして葬儀に対する疑問や不満を考えることだとも言われます。
今年の春頃受けた事前相談の一つにご自分とご主人の葬儀の件がありました。
おふたりともご高齢ですが元気ですので、自分達の葬議場の下見をご主人の車で回りたいとのことでした。
ご要望は以前お母様を見送った時、斎場が遠くお断りしたことがあるので交通が便利な駅の近くを。すでに霊園墓地が20年前に購入済みなので戒名は要りません、本当は無宗教でもいいくらい。葬儀は質素に、しかしお料理だけは来て頂いた方に十分堪能していただきたい。お返しは礼状だけ、後はお清めのお塩だけで十分です。子供と孫と双方の兄弟だけの家族葬でとのことでした。
さっそく地元の葬儀社から見積りを取り、担当者と待ち合わせて斎場を回り説明を受け、さらに具体的にお聞きになり、お任せできると判断し再度見積りをお取になったようです。お礼のお手紙には、いつになるか分かりませんがこれで安心して生活出来ますとの由。