都会のご葬儀では依頼に応じて葬儀社の方でご住職の手配をするのがごく自然な成り行きのようになってきました。
60年代から70年代の高度成長期にかけて田舎から出てきた若者も定年を迎える
年代に突入し、年老いた田舎の両親を都会に呼び寄せ、最後を看取る必要に迫られています。実家は長男が継ぎ、次男のお父様は実家の菩提寺に入るわけにはいかないという方もいらっしゃいます。
まして、遠い実家の菩提寺からは、よほどのことがなければご住職がわざわざ出向く確率はすくない。
「そちらはそちらでどうぞ」ということになれば、不安は募るばかりです。
最近「葬儀後の相談にも乗ってくれますか」という問い合わせが顕著になってきたようです。
その一方で依頼者側はさらにご葬儀のお布施をできるだけ安くと求めてきます。
お布施はお寺により、宗派により様々で、一概に言えませんが葬儀社の担当者はそれぞれ大方の基準を持っています。ところが最近はこの足並みが少し崩れてきているようにも思われます。
これは格安で通夜、葬儀告別式の読経のみを受け持つお坊さんの派遣業が増えてきたのも一因でしょうか。
但し、こちらの派遣される僧侶の方はお寺を持っているご住職ではないので葬儀後の相談は難しい状況にあります。
格安のお布施と葬儀後のご相談、どちらも切実な問題です。双方をバランスよく持って行く方法を考えることも、これからのご葬儀のあり方を問うきっかけになるのではと思いますが・・・。