[身近な人が亡くなって・・・。自殺なんですが・・・。同僚の韓国の方なんですが・・・。ご遺体は今警察の方に保管されていて、夕方6時には韓国からご両親が到着する予定なんですがどうすればよろしいでしょうか。」
電話の主は途方に暮れたような声で、これから先何をどうしてよいかわからない不安でいっぱいのご様子を話されました。
どんなご事情があれ、異国の地で若い命を絶たれてしまわれた息子さんを迎えにいらっしゃるご両親の立場を思うと、思わずこちらも言葉に詰まってしまいます。
平静を装いながらお話をお伺いすると、死後の時間が経過していて、すでに警察の検死も済んでいるのでご両親とお会いになったらできるだけ早く荼毘に付すことになりそうです。
ご紹介した葬儀社ではもしご両親のご意見如何でご遺体をどうしてもお連れしたいとならば、移送専門の方をご紹介しますからとのことでした。
ご両親とのご相談の結果、翌朝一番の火葬になりました。
荼毘に付されたご遺骨を抱いてご両親は無念の帰国となったようです。
国際化に伴い外国への行き来はごく当たり前になって、国内の延長のようになっています。自害だけではなく、自分だけは大丈夫といっても何時何処でどんな事件に巻き込まれ命を絶たされるかもしれません。
今回のように日本で外国の方が亡くなられた場合は、まず始めに、ご遺族にご遺体の処理方法(火葬か土葬)を確認します。
ご遺体を移送する場合は移送国によってはご遺体をエンバーミング(防腐処理)して送る場合もあります。
日本はこのエンバーミング処理が復旧していないので、費用の面も含めて火葬をお勧めすることが多いようです。
火葬の場合は死亡診断書を2通、1通は死亡地の役所に提出、埋火葬許可証を受け、もう1通は領事館に提出。
ご遺体を移送する場合は、死亡診断書1通は領事館、1通は遺体処理する病院に。
また、領事館員立会いの元にご遺体の納棺梱包をします。
航空機の手配をして、遺体移送は貨物扱いになります。
移送の場合は航空貨物運送会社が手続きを代行します。