最近のカラフルな公園墓地や墓石のチラシ広告を見ていると、10数年前、パリ市内の広大な墓地を走り回り、やっと見つけた天才バレエダンサー・ニジンスキーのお墓の前に持ってきたバラの花を手向け、絵になるお墓の写真を撮り捲っていたことが思い出されます。
シンプルだけど黒御影石(?)のお墓は絶えることのないファンからのバラの花で埋め尽くされていました。辺りを見渡すと色々な形をした墓石が整然と並び、一見公園に迷い込んだような光景に日本のお墓とはずいぶん違うんだと感心したものでした。
ところが、いつの間にか日本も公園のような墓地が出始め、最近では墓石も昔からの定形とは異なった自由な発想のものがあちこちに見られるようになってきました。
墓石に彫る文字も従来の○○家之墓に取って代わって、好きな文字を彫り、家族の絆が深められる言葉が選ばれるようになってきたようです。
団塊世代が60歳を前に、自身のこれからのことについて真剣に考えだしたのも一因といわれていますが、1億総サラリーマン化と核家族化で代々受け継いでいる「家」の概念が薄くなり、、あえて○○家を避ける方を選択しているようにも思われます。