(4/16) 生まれたばかりの赤ちゃんを亡くされたお父様からアンケートを頂いたのは、大分経ってからでした。
「葬儀社の担当者の方はややおせっかいなくらいに親身になってくれ、満足でした」とのお返事を頂き、思わず頷いてしまいました。
親を見送るのは悲しいけれど、どこかで納得させるものを持ち合わせているが、子を見送る親の気持ちは・・・。
ご葬儀に伺っても、どこから話を切り出してよいものか。
周りの緊張は極度に達し、どうやって手を差し延べてよいのかも分からない。
ベテランの担当者に聞くと「ただひたすらご遺族のそばに立っていてあげるだけ」とのこと。
目の前に「おばさんがうろうろしているからおばさんに聞けばよい」と、皆さんが気楽にものを言いやすいようにうろついている。
ただ、時として孫を亡くしたお姑さんの立場になって、プロの気持ちが揺らいでしまうとも。
でも、それでいいのでは・・・。
読経が始まると若いお母さんは「ずっと抱いていたい」と柩の中の赤ちゃんを抱き寄せた。
担当者がご自宅でご家族だけのご葬儀ですから「いいですよ」とご返事すると、お経をあげている間中わが子を抱きしめていらしたとのことでした。