コロナ禍の中、御葬儀も“出来るだけシンプルに”が合言葉のように言われ続け、早2年が過ぎました。
いつの間にかシンプルの言葉だけが独り歩きし、ネットを中心に、通り一遍のハウツウ式の御葬儀で済ませる傾向が目立ってきているようにも思われます。
しかしながら、如何なる状況下であれ、永遠のお別れだけは御家族との絆を大切に、納得のいく、後々後悔のないお別れにしたいものです。
以前から、「御葬儀は担当者の対応の仕方が、大きくものを言い、ご葬儀前にはすでに良し悪しが決まる」とまで言われていました。
数年前、対応いたしましたご相談者から、御葬儀後頂いたお手紙の文面が思い浮かびます。
「晩年、父は病の連続で苦しい人生となり、医者にも恵まれず、大変な思いをしてきましたが、最期に良い葬儀社さんと御住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったのかな・・・と思っています」と・・・。
又あるベテラン担当者は「本日はお身内だけですので、ゆっくり執り行います」と挨拶され、長年連れ添ったお母様の悲しみが強く、お疲れのご様子を気遣い、御葬儀は全てお母様のペースに合わせて進行され、最期のお別れを重視して、棺にお花を入れる「お花入れ」の後もお父様との無言の対話の時間を十二分に取り、ご用意した車椅子にてお母様を火葬場に向かわせました。
火葬場の告別室でもお母様はなかなかその場を離れがたいご様子でしたが、周りの方々もゆっくりと温かく見守り、全てお母様中心に運ばれたような御葬儀となりました。
御葬儀後、「ネットで検索しただけではめぐり会えなかったと思われる担当者と、お会いすることができました」と、早速に感謝のお言葉を頂いたのは言うまでもありません。