葬儀の良し悪しは気配りで決まる・・・?

 ご葬儀は日頃ご無沙汰している方々を故人が引き合わせてくれる場でもあります。
 何十年ぶりかでお会いされた方々が積もる話に花が咲き、通夜の儀式が終った後も柩を囲みいつまでも話し込んでいる光景をよく目にします。
 これがご自宅でしたら何の障害もありませんが、斎場ですと話は少し面倒になってきます。
 ことこれが公営斎場ではなお更です。
 先日1年ぶりに頂いたアンケートには葬儀担当者が良心的に利用者の立場で相談に乗っていただけたことへの感謝のお気持ちと同時に、通夜のお清め処ではお父様の友人達が夢中になって話込んでいる間にもお料理が片付けられ皿をまとめられ、来ていただいた方に気を遣わせてしまい、あまり居心地が良いものではなかったことが綴られていました。
 お話ごもっともで、良く出会う風景です。

 公営斎場を例に取ると、業者の方は夜9時までに門をでないと閉門されてしまうところが多く、最後は時間との勝負になってしまうようです。
 逆算した時間帯には終らせ、その前には片付け時間も必要です。勢い8時過ぎをメドに前記のような光景が見られるようです。
 勿論ご喪家側には知らせてありますが、言い出しにくいものです。
 一般会葬者はご焼香が終ればお清め処に誘導され早めにお清めされるので、そんなに問題はありませんが、ご親族、古くからの友人は通夜開始から終了までお付き合いした後になりますので、時間が限られてきます。

 このことをあるベテランの担当者に伺うと、まず式場で思い出話に浸っている方をお見かけしたら「そんなところに立っていないで、どうぞお料理の方に行ってお話しされたらどうですか」とこまめに誘導するとのことです。
 前の方が食べ散らかして空席ができているところは片付けながら残った料理を綺麗に盛り直す。
 お話に夢中の方にはお声を掛けて召し上がっていただくサインを出す。
 通夜のお泊りの方用に料理屋さんには残りの料理を親族控室に運んでもらい、こちらでお話されながら召し上がっていただくようにするとのことです。

 こまめにさりげなくタイミングよく気配りすることが大切なようです。
 美味しかったお料理は故人の思い出と共にいつまでも語り継がれていきますので。