暑いときに出てくる冷たいお茶は何ものにも代え難い

 葬儀ではデリケートな状況の中で、気配りや思いやりの心遣いが高度に要求されるます。葬儀社の行う業務は究極のサービス業とも言われる所以です。普段は気にならないようなことでも、状況が状況名だけに、担当者の対応いかんでご喪家側を苛立たせてしまうことにもなりかねません。

 火葬場で、葬儀社の人がご喪家とトラブルを起こしている姿をまれに見かけることがあります。火葬場の人の話では、だいたいトラブルを起こしている社は決まっているようです。

 トラブルとは逆に、葬儀社の担当者が見せる、小さな心遣いやサービスにも思わぬ感動があるようです。

 神社境内の耳を劈く様な蝉時雨の声と太陽が照りつける雲一つない炎天下、先程まで冷房がきいた室内にいたとは信じがたいほどの暑さに頭がくらくらしてきます。

 今年の東京の夏は、例年にも増して厳しい暑さに見舞われています。

 以前、お伺いした告別式では出棺をお見送りした会葬者に冷たいお茶のサービスがありました。

 控室にあてがわれた境内の客殿前には葬儀社の取り計らいでお茶のセルフサービスのセットが置かれ、皆さん思わず駆け寄りのどを潤していらっしゃいました。
 緊張し乾いた喉への一服の清涼剤はおもわぬ効果が発揮されたようです。最後のちょとしたサービスで葬儀に出席した印象もガラッと変わります。