垣根越しに咲き乱れているお花が一年で一番綺麗な季節になりました。
先日も知人宅のお庭で丹精込めて作られた薔薇の香に包まれながら、お茶をいただき、至福のひとときを過ごしました。
お花は人の心にいつしか安らぎを与えてくれているようです。
人は誕生から最期まで何時でもお花と寄り添って来ています。
最期の最後までご縁が切れません。
ご葬儀の立会いに伺った折にも、柩いっぱいの花びらに囲まれるとお顔は一段と明るく見え、今にもパッチリ目を開かれるのではと、ドキッとさせられることもしばしばでした。
最近ではご葬儀で故人様のお好みのお花を指定される方も増えてきました。
色を指定される方、お花の種類を指定される方それぞれですが、仏式だから薔薇はダメとかの基準も、最近ではお好みのお花が優先されるようになってきたようです。
母の日近くには真っ赤なカーネーションを出来るだけ沢山、また大好きな胡蝶蘭を、忘れな草を、カスミソウをアレンジしてとご指定が入ります。
中でも無宗教葬の方のご葬儀は印象的でした。
祭壇を作らず柩を白薔薇で飾り、献花もお花入れも全て白薔薇で統一し、最後に奥様だけが真紅の薔薇一輪を手向けました。
その鮮やかさが今でも目に浮かびます。
また、石楠花寺として異名のあるお寺の会館では朝採りの石楠花を惜しげもなく、柩に手向けているとのこと。
チベットのブータンから持ってきた石楠花は仏の花として思いがけないプレゼントにご遺族も大喜びだそうです。
今度、エンディングノートに書き留めておこう。
最期のお花は何にしようかと。
しかし、花好きにとって、まだまだあれこれと目移りしています。