夏の終り頃、立て続けに60代の方々のご葬儀に立ち会いました。
これから第二の人生設計をあれこれと思い描いていた矢先に、突然潰されてしまった無念さを思うと、お悔やみの言葉もなかなか見つかりません。
そんな中、タイトルに惹かれて観た映画「エンディングノート」は、69歳の若さで亡くなられた、かつて熱血営業マンの半年間のドキュメントでした。
映画は末期癌を告知された父親が家族に残すエンディングノートとして、ご自身の最期までを克明に綴り、それを監督である娘さんが、冷静にかつ絶妙な距離感を持ちながら撮影を進めていました。
この距離感に私もいつの間にか見ず知らずのご家庭の仲間入りをし、時に口をほころばせ、時に涙で頬をぬらしながらも、ご葬儀のアドバイザーとして大いに頷きながら見入っていました。
モーレツサラリーマン時代をそのまま続行して、全て段取りをしなくては気がすまない主人公はご自身のご葬儀の準備を始めます。
ご実家は代々仏式でしたが、宗派を問わないお墓を確認して、キリスト教葬を選びます。
選んだ理由は式場の雰囲気がよく、ご自宅から近く、リーズナブルであることをあげ、近親者のみで執り行うことを明記し、ご会葬いただきたい方のリストをコピーにまでとって息子さんに最後の段取り確認まで、準備万端整えました。
94歳になるお母様に携帯電話で最後のお別れをし、洗礼を受けます。
ラストシーン、ご遺体は見慣れた町をゆっくりと後にし、一路火葬場へと向います。
昼下がりの映画館は老若男女で埋まり、若いカップルも多く見受けられました。
ご葬儀の事前相談をご希望の方は是非ご覧下さい。お勧めいたします。