先を見通すのは難しい

 「密葬が広く一般的に行われるようになったきっかけは、渥美清さんが密葬にしてからではないでしょうか」
 と、先日お会いした葬儀社さんの人が話していました。誰かの受け売りか、オリジナルな解釈かはわかりません。どれくらい本当らしいかもわかりません。
 ただ、そういう仮説で物事を見るのは、聞いていて実に気持ちが良いものです。
 
 そして、同時に、事業的には、取るに足らない仮説をほんの少し立て、その中のほんの少しだけ実行するという体たらくぶりを省み、そして同時に、最近のニュースを見るにつけ、仮説実行できる人や組織でないと、ますます厳しい社会になってくるのではないかと思えます。

 かつてに安定した社会があったかどうかはともかく、現代のようにグローバル化による不安定さは、自らの立ち位置とは関係なく、世界の様々な影響を受け、先行きを非常に見通しにくくさせています。(わずか数か月前、日本の円が80円を上回っていたとき、10人中9人のエコノミストは、徐々に円安になっていくだろうと言ってました!)

 この見通しにくさの中において、求められる人や組織は、どちらかと言えば、いまある決まりごとを踏まえ無難にやりすごすというよりも、よく言うPDCAを早く回せる人や組織であると思われます(仮説・計画 → 実行 →検証・評価 → 改善)。たとえ仮説が間違っていて時には失敗したとしても、何も実行しないところよりも、生き延びられる可能性は高いのではないでしょうか。

 個人にしても、仮に現在どんなに強い組織の中にいようとも、小さい失敗を繰り返して仮説実行するクセをつけておかないと、その後ろ盾がなくなったときに、本当は何もできなかったと嘆いてみても遅くなってしまいます。