私事で恐縮ですが、先月5日間ほど入院を余儀なくされ、スタッフをはじめ周りの方々に、ご迷惑をかけてしまいました。
夜中、突然の腹痛で、近所の総合病院に飛び込み、そのまま治療・検査入院で明け方には病室のベッドの上という始末でした。
4人部屋の病室でうとうとしていると、突然お隣のベッドから断末魔の悲鳴のような男性の声が聞こえ、あまりの声にしばし痛みも忘れてこの病室は男女共用なのか、少し不用心では?と憤然としておりました。
やがて、日に何回となく繰り返される悲鳴もこちらの耳に少しずつ慣れてくると、付き添いのご家族のお話も聞くとはなく聞こえてくるようになりました。
一致団結してこのヤマ場を乗り越えようと、看病に専念されている様子が手に取るようです。
お医者さんが病状を説明に来られ、一時は危ぶまれた容態も、このまま順調に行けば手術が可能な状態にまでなられるとのこと。
お医者さんの説明でご家族皆様のホットされた空気がカーテン1枚仕切られたこちらのベッドにも伝わってきました。
とりたてた病名もなく無事退院の朝を迎え、5日間お邪魔したお隣さんへご挨拶に伺うと、そこには小柄なお年を召したご婦人がすやすやとやすらかな寝息をたてていらっしゃいました。
5日前の声の主とはとても想像がつかないほどのおだやかなお顔に、手術の無事をお祈りし、そっと病室を後にいたしました。
仕事柄、事前相談でお話をお伺いし、見積りを取り、ひとまずホットされた依頼者の方には、後のお時間をできるだけ看病にあててくださいと申し上げておりますが、実際に病室でご家族皆様の看護振りに接し、頭の下がる思いを幾度となく見聞きした5日間の入院騒ぎも、あながち無駄ではなかったのではと実感しておりますが・・・。