調布市にある金龍寺大雲閣での会葬者多数の無宗教葬に立ち会いました。

 会葬者150名ほどの無宗教での通夜に立ち会いました。

 秋田に菩提寺がありましたが、納骨法要等は通常通り行なうことでご住職に納得していただき、こちらでは無宗教でお願いしますとのことでした。改めて確認をとりましたが以前お母様の時にも問題がなかったので今回のお父様も同じ様にしたいとのご要望でした。

 故人はジャーナリストで交友関係が広い方でしたが、ご高齢なのでご喪家としては会葬者数が絞りきれず、一般会葬者数を50名ほどとして見積りを出していました。
また、最初の見積りでは多磨日華斎場を想定していましたが、亡くなられた時点で1週間先まで塞がっている状態でしたので、日程を優先してご自宅近くのこちらの斎場に決めたいきさつがありました。

 通夜当日は1時間前くらいから友人が続々と詰め掛け、連れ立って故人との対面をしていらっしゃいました。柩を取り囲み祭壇の写真と柩の中の顔を見比べながら「笑顔を取ればそっくりそのままだなあ」と見入って、暫したたずんでいらっしゃいました。

 無宗教での通夜はお別れの献灯から始まりました。まずご喪家の皆様お一人ずつ灯りのついた小さなキャンドルを祭壇前のテーブルに置き、手をあわせました。次にご親族の方お1人ずつが大きなキャンドルを手に持ち、祭壇前のテーブルに置かれた小さなキャンドルに点火していきました。

 ご親族の献灯終了後は、黙祷、喪主のご挨拶へと続きます。

 その後は、お父様の古くからの友人や交友関係がよく分からないので直接対面してお声をかけて欲しいというご喪家からのご要望に沿って進行することになりました。会葬者は祭壇に向かい手を合わせた後、お1人ずつマイク片手に故人とご対面し、顔を覗き込みながら話し掛けていました。中には言葉にならず、しばし絶句する方もいらっしゃいました。長い間闘ってきた同志の結束には特別な感慨があるようです。

 故人の人となりが伝わる様な式になったように思われます。予定の会葬者の倍以上の友人知人が集まり、翌日の告別式にも遠方から多数駆けつけたという報告も聞きました。

 依頼者も友人の温かさを感じ「私たちの知らなかった父の一面を知ることができました」としみじみ語っていらっしゃいました。

 特に今回葬儀社の担当者、進行役のナレーターともに女性で、男性は後方支援に回り、柔らかな物腰とさりげない気配りでの連携プレーが際立ったようです。一般会葬者席がすぐに一杯になり席を次々に増やし親族の席にもお座りいただいたが、そっと近づき遅れていらっしゃったご親族、一般会葬者お1人ずつに手短に説明し、親族にはキャンドルを、一般会葬者には柩とご対面していただくことをきちんと区分けしていました。

 翌日の告別式は献灯に代わりフラワーボックスにお花をさす献花になりました。柩には友人知人の思いが込められた沢山の色紙が入れられ、ご遺体はご自宅の前を通って火葬場に向われました。