開口一番「今、身内の者が亡くなったのですが、追加料金のない葬儀社さんをご紹介いただけますか」、張り詰めたお気持ちが電話口から伝わってきます。
「大丈夫です。ご要望の葬儀社さんをご紹介いたしますが、当センターでは葬儀社さんがお出しする見積りと請求の整合性をチェックしておりますので、見積りが安いと思ってそちらに頼んだら、とんでもない額が請求されたという問題はおきませんので、ご安心ください」。
思わず、力が入ったこちらの返答に、電話口の主もほっとされたご様子が伺われ、以後の具体的なご相談もスムースに運び、ご要望に沿った賛同葬儀社さんのご紹介をさせていただきました。
マスコミでも、昨今のご葬儀事情を取り上げることが、大分日常化してきているようですが、先日もテレビで、葬儀社さんから送られてきた請求書を見て、びっくりされたお話が話題になっていました。
○○円のパックでご葬儀が出来ますとのキャチフレーズに惑わされ、これでご葬儀代の全てが賄われる、と思われた節が多分にあるようです。
請求書には当初の倍近くの金額が明記され、そこにはお食事代や返礼品をはじめ、お布施代、安置代・ドライアイス代の日数分等が加算されており、さらにオプションと称して、了承したかどうか定かでないものまで、含まれているとのこと。
ご葬儀前の混乱状態の中、葬儀社サイドからの十分な説明がなされないままご返事された結果、思いがけない支払いをする羽目になってしまうケースが、後を絶たないようです。
先のご相談者もそのあたりを警戒されて、おっしゃったご様子ですが、このように、金額の問題のみクローズアップされている背後には、担当者とのコミュニケーション不足が、大いにかかわってきているように思われます。
担当者との繋がりが密であれば、防ぐことも可能な問題で、それは葬儀社選びの際の、大きな要因になるのではないでしょうか。
ご葬儀に立会いでお伺いした折にも、担当者に全幅の信頼を寄せていらっしゃるご相談者をお見かけしていると、双方のコミュニケーションの取り方がつぶさに感じられ、今回も良いご葬儀になったのではと実感させられたものでした。
担当者からも、初めてお会いした方にいかに早く懐き、懐いてもらうことが大事とのお話をうかがったことがあります。
ベテラン担当者は細やかな気配り、和やかな雰囲気作り、臨機応変な対応から、一方の若い担当者はフットワークよろしくそれぞれの持ち味を生かした立場からご喪家との繋がりを図っているようです。
ご葬儀後のアンケート等でも、そのことを如実に物語ったご回答を、数多くいただいております。
「担当の方は何も知らない私に丁寧に教えてくれただけではなく、一般的にはこうだけれども、この地域ではこうだとの判断材料をいただきました」
また、ある方は「こちらの主旨をすばやく理解してくださり、同じ目線で一緒に考えていただけた」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
「自宅まで毎日足を運んで下さり、何でも相談でき、私の意を正確に汲んで下さり、イメージ通りのご葬儀を執り行うことができました」等のご報告もいただいております。
やり直しがきかないご葬儀だからこそ、その方にふさわしい見送り方を一緒になって考え、行動してくれる葬儀社、担当者選びこそが、ご葬儀の良し悪しを握る大きなキーポイントとなることでしょう。