昨年、暮れも押し迫った頃、「入院中の父の容態が予断を許さない状態になってきて、お医者さんからも準備をしておくようと言われているが、どのようにすればよいだろうか」途方にくれたご様子のお電話をいただきました。
ご相談者は1人っ子で、当のご両親は離婚され、ご親戚の方々とは疎遠になっており、ご葬儀のご相談をされる方がいらっしゃらないとのこと。
お父様は生活保護を受けていらっしゃるので、そちらからご葬儀費用を出してもらえないかとのご質問には、葬祭扶助をお受けになると限度額が決まっておりますので、火葬のみが現状な旨お伝えし、お話をお伺いする中で、葬儀社の担当者に直接ご相談されたいとの要請がありましたので、お近くで適任者ではと思われる、賛同社の担当者をご紹介させていただきました。
担当者にはその旨お知らせして、対応をお願いいたしました。
ご相談者はやっとご相談できるお相手が見つかったとばかり、矢継ぎ早にご質問をされたご様子で、「時にこちらからも提案をさせていただきましたが、良い感じでお話をさせていただきました」と担当者からの報告が間もなく届きました。
年明けのまだ寒い時期でしたが、お父様のご逝去をいの一番に告げ、「提案していただいたように、父と最後のお別れをする友達の方々のため
にも、1日葬にすることに決めました」と決意のこもったご報告が、担当者に届けられたとのことです。
また、最近も事前相談で直葬と1日葬のお見積りをお取りして、担当者とご面談された方からは「迷っている点を適格に察知して説明をしていただき、オプションもそちらでご用意できるようだったらそうした方が良い、とのアドバイスやご提案をいただき、万が一の時は安心してお任せできますので、これからは父との残された時間を大切にしていきたい」とのご報告いただきました。
このような小規模なご葬儀のご相談においては、特に顕著に表れるようですが、ご満足いただけるか否かは、担当者とご相談者のコミュニケーションの取り方が大きく関わってくるようです。
ある担当者はご相談の折、まずはご希望を伺い、メリット、デメリットをその場で説明し、全てをコーディネイトしてあげることが大切で、ご相談者とはどこまでプロとしてアドバイスできるかにかかっているとのお話でした。
特にご葬儀事は終わっても後々のことを考える必要が出てくるとのこと。
ご親戚とのお付き合いで、ご理解が無ければ、後々何やかや言われますので、そこまで考えてコーディネイトして差し上げる必要があるのではと。
また、ご喪家とはとことん二人三脚で行きます、とおっしゃるベテランの担当者は、いかに初めてお会いした方に、短時間で心許してもらえるかが大切だとおっしゃいます。
「いかにこの人は大丈夫だという安心感を持たせるか」。
大丈夫だと理解していただくためには全力投球するが、葬儀屋さんの葬儀ではないから、お手伝いするだけですからというニュアンスで、一緒に歩きましょうというスタンスをとっているとのこと。
早めに打ち解け、この人は大丈夫だという安心感を持たせてもらえれば、相手も聞きやすく、いろいろとお話を聞くうちにおおよそのことが分かってきますのでと。
担当者それぞれのコミュニケーションの取り方で、ご相談者との距離を測っているようです。