よいお葬式だったと後々言われる大事な要素に通夜振る舞いのもてなしがよく挙げられます。
通夜のお清めの料理は美味しくない上に、時間が経ってぱさぱさで・・・と時々小耳に挟みますが、昨今はこの食事にこだわりを見せる葬儀社の担当者も増えてきました。
お式はできるだけ質素に、その代わりにわざわざお出で頂いた方には美味しいお料理で十分にもてなしたいと言うご遺族の気持を汲んで、今までに60社以上の仕出屋さんを当たり、一つひとつ吟味しながら、やっと満足するものになりましたと言う担当者もいます。
先日立会いに伺った葬儀の担当者も「通夜ぶるまいは沢山食べてくれるのが供養になりますので、ご焼香を終えられた会葬者お1人おひとりに声をかけて食べて貰いました」。
会葬者数の割には質素な会場でしたので、故人の会社関係の方は「密葬でやるつもりだったのかな」と耳打ちされていた位でした。
ご焼香が済んで、二階のお清め所に上がるには、階段下でスリッパに履き替えるか、ビニール袋に靴を入れて持ち運ぶかになります。お客様も多く、少々面倒なので、そのまま失礼しますと帰られる方もでてきました。
ところがまもなく皆さん引き返して来て、「やっぱり飲んでいくか」と2階に上がられました。
フローリングの床に座布団を敷き、あぐらをかいてリラックスされ、ご自宅でもてなされている感じでゆっくりじっくり飲まれ、満足してお帰りになったようです。
初めの見積りでは100名分のお料理でしたが、会社関係からの問い合わせや供花の数からかなりの増員が見込まれそうなので、担当者から「飲み食いは残る位がよろしいですよ」と申し上げ、納得して頂いたとのことです。結果、ご親戚の方が美味しいからと少しお持ち帰りになり、喪主の分が足りない位でした。