先日TBSラジオのトーク番組でいまどきのお葬式事情を取り上げていました。
夜10時からのバトルトークラジオ「アクセス」では最近の東京及び近郊では読経だけして火葬場に直行型の直葬が増えていることを提起していました。
確かに、ご家族ご親族だけの家族葬に交じり、ポツポツと火葬のみのご依頼も増えています。
ご家族お一人でお見送りする方から、十数人でお見送りする方まで様々ですが、式場は使わずに、安置所から直接柩を火葬炉に納めた後、火葬炉前でお経をあげてもらいその間最後のご焼香をします。お経は10分程度です。
(但し、公営の火葬場で火葬炉前読経ができないところもありますのでご注意ください。)
このご葬儀の仕方が賛成か否かを番組の会員に問いたところ、賛成57%、反対が18%、どちらでもないが24~25%という結果になりました。
聴取者参加番組ですので、専門的にならず、聴いているほうも頷きながら、また反論を口元で抑えながらテーマは重くても気楽に参加できるようです。
直葬が増えた背景には有名人のご葬儀も近頃内輪だけで、時には直葬の形で行なわれる報道をみて一般の方も追従しているとか、また金銭的な問題も取り上げていました。
直葬に賛成の方の意見は、身内の方を見送った時、葬儀社が全般を取り仕切り、菩提寺からはお布施を要求され悲しんでいる暇もなかった。
昔は隣組がやってくれ、香典でまかなえていたのが、今は病院で多額の費用を使い果たし、最後のとどめにお葬式がひかえています。
通夜から告別式を無事乗り切りたいがために、それなりの祭壇をと思いますので、と話されていました。
一方の反対組は費用面が大きいと思うが、葬儀にお金だけをそぎ落とせばそれでよいのかと疑問があります。菩提寺の住職からご葬儀の意味を教えてもらい、簡素化に走るだけでよいのか疑問が残りますという。また、高齢の方は大病して多くの方にお世話になりました。昔から老い支度といっていざという時困らないように貯めていますとのこと。
その他葬儀社勤務の方、僧侶派遣業の方の立場でのお話も伺え、様々な問題が浮上してきます。
簡素化の波は速度を増すでしょうが、直葬一つ取っても世相とは切り離せない時代になってきたようです。