「ビニール製ハンドバッグ、靴、寝具、釣竿、ゴルフクラブ、テニスラケット、めがね、大きなおもちゃ、びん缶類、ガラス製品、プラスチック製品、貴金属、スプレー、ガスライター、辞書、携帯電話、CDプレイヤー、果物等々」
書き出したのは、引越し用荷物ではありません。
柩に入れてはいけないものを各火葬場のパンフレットから拾ってみました。
ご遺体と一緒に火葬されるためには焼け残ったり、ご遺骨にくっついてしまっては大変です。また現在では環境への汚染源での一つ、ダイオキシン類に注意する必要があります。
そんなこんなで柩に納めるものも大分限定されてしまったようです。
せめて「故人の愛用品を柩と共に」ということも、かなわぬ夢となってしまいました。
それでも生前愛用されたお着物や友人からの寄せ書き、写真、など思い出の品がお花と一緒に入れられます。
少し前、長患いの末にお亡くなりになられた方は病室に代わる代わる訪れたお孫さんたちの手で千羽鶴が折られ、その千羽鶴がお孫さんの手で納められ、最後までお孫さんたち全員15名に囲まれての旅立ちになりました。
また、同じような柩にいれる折鶴でも、葬儀社の方でご用意する折鶴もあります。
当センターの賛同社の中には最後のお別れ花の代わりにしている社があります。
担当者いわく、「最近は通夜の会葬者が増え、明日の葬儀に来れないから今日お別れしたいという方のために、祭壇のお花が切れないので、お花の代わりに折鶴を差し上げています」とのことでした。一方で、できるだけ経費を抑えようとして祭壇を造花祭壇にしている方のためには、生花に代わり、色とりどりの折鶴で柩を埋める場合もあるそうです。
カラフルな折鶴はお花とは違ったインパクトをもって迫って来るようです。
先日のご葬儀では写真を柩に入れようとして、ベテラン担当者から待ったがかかってしまいました。
お花入れが始まってまもなくご遺族は家族全員で撮った写真が自家用車の中だと気づき、慌てて取りに行こうとしましたが、「集合写真はひっぱられるから柩に入れないでください」と云われ残念ながら入れるのを見送ったとのことです。
昔からの言い伝えには逆らえません。皆さんまだまだ現世に未練がありますから。