直葬、この10年、さらにその後は・・・。

 ご葬儀のご相談では特に昨年来、葬儀・告別式を省いた直葬のみのご希望が増えて参りました。

 今年も新年早々立て続けに、赤ちゃんを含めた直葬のご相談を頂きました。

 丁度10年程前、親を見送った団塊の世代の方々に向けてマスコミも「ご自身の最期をどのように迎えるか、はたまた迎えたいか」の特集を組み始め、ご葬儀は子に任せた親世代との違いを強調しておりましたが、当時はまだまだ親の代からの地縁も血縁も残っており、自身のことは自身で決めたいというお気持があっても、決心を要するまでには至っていなかったのが現状だったようです。

 葬儀社の担当者も「金銭的な問題の方以外は、御霊を成仏させる意味からも是非お式の方もとアドバイスをしています」とのお話でした。

 その後10年で時代の空気も一変し、ネットでの情報も参考にされながら、ご自身の生き方を含めて費用の面も考慮し、ご葬儀は出来るだけシンプルにされたいという方が地縁の薄い都会を中心に増え、最近では直葬も家族葬同様にご葬儀の一例として定着した感があるように思われます。

 当時、直葬をご相談された方々は確固たる信念をお持ちの方か、はたまた経済的に困窮され、お式が難しい方か二者択一の感が強かったのですが、最近ではごく一般的に選択される方が多くなりました。

 それに伴い、一口に直葬と言ってもご要望に応じ、火葬日まで個々の生活に合わせてのご面会やお別れがなされ、火葬場で最期のお別れとなるケース、はたまた自社式場に火葬当日ご安置し、火葬場出発前にゆっくりとお別れをされるケースと様々なお別れの仕方が増えて参りました。

 これからもさらに時代の空気に合わせて、既成概念にとらわれない、様々なお別れの仕方が増えてくるように思われます。

 ご葬儀も時代の変化に伴って、これから先、どの様な進化を見せてくれるのか・・・。

10年後のお別れはどんな形で迎えられるのでしょうか。