死はある日突然にやってくる。
まさか自分には直接関係無いことだろうぐらいにしか考えない方が大半だと思います。
しかし、ご相談の仕事をしていると、時として突然のことでどこからどう手をつけて良いのか見当がつかないとご連絡を受けることもあります。
お身内の方の長患いや、お医者さんからのご説明に、ある程度の覚悟を決めてご相談される場合と違って、パニック状態のお気持ちを、少しでも落着いてもらうことが第1です。
そのためには、お話をお伺いし、できる限りのお手伝いをさせていただきます。
昨年末には横浜のサラリーマンの方から、お母様と北陸に旅行中、突然お母様が倒れられ、お医者様から回復の見込みが無くいきなり覚悟の程を言い渡され、途方にくれているご様子の連絡をセンターにいただきました。
万が一の時の手続き等を説明し、一つひとつの疑問点を綿密な連絡を取り合うことでお気持ちが少し安定されたご様子でしたが、矢張りお母様は帰らぬ人となられてしまいました。
まず、お母様を横浜のご自宅までお連れする輸送の問題がおきてきます。
陸送ですと何時でも向うことができますが、なにぶんにも輸送代に高額な費用がかかります。
空輸ですと空港で飛行機に運び込む時までに、こちら側のご遺体を引取りに伺う葬儀社が決まっている必要があります。
空輸の場合、ご遺体は柩に入れた状態で、貨物扱いになり、貨物便のある飛行機に限られ、飛行時間外は翌日まわしになるなどの条件が出てきますが費用は陸送の何分かの一で済みます。
お母様の場合はスムースに空輸でき、無事横浜のお友達の待つご自宅に戻ることが出来ました。
後日、「思わぬ事態で、準備が全く無く、不意を突かれた状態でしたが、無事見送りができました」と丁重な礼状をいただき、ほっと、いたしました。
昨日、立会いで伺いましたご葬儀も、出先で突然倒れられ、2日後そのまま帰らぬ人となられた方でした。
終始気丈に振舞われていた息子さんもごあいさつで、「余りに突然のことで言葉を掛けることもできなかった」と悔やんでいらっしゃいました。