家族葬の担当者にはおせっかい焼きのおばさんが最適・・・?

 生まれたばかりの赤ちゃんを亡くされ、半年後に若いご夫婦から頂いたアンケートの「よく分らないことばかりだったので、葬儀社の担当者さんがよく相談にのってくれました。ややおせっかいくらいに親身になってくれました」と書かれた文面を見て、思わず頬が緩んできました。
 電話口で報告を聞き苦笑している担当者には思わず「この調子でやってください。お願いしまーす」と連呼してしまいました。

 ご葬儀の規模にもよりますが、昨今の家族葬のようなごく親しい方やお身内だけのご葬儀には特にこのおせっかい(?)が威力を発揮するように感じます。
 儀式として格調高く静々と事を運ぶやり方には少々不向きかもしれませんが、暖かくお見送りしたい向きにはこのおば様パワーというか生活者の目が大きな役割を持ってくるように思われます。
 ご葬儀の当事者は平常心では無い上に、初めて経験されることへの不安を抱え、それでも懸命にご喪家のお努めを果たそうとされています。
 普段でしたら気がつくことでも、うっかりしてしまうことも多々でてきます。

 先の赤ちゃんのご葬儀の時も、担当者は常に若いご夫婦から見える所にいてあげたとのこと。心細いご夫婦にとってはなによりも強い味方の出現です。
 読経の間、柩から赤ちゃんを出して抱いていたいというお母さんのご要望もお身内だけだからとそっとOKをだして見守っていらしたようです。

 以前のご葬儀で読経中のご住職の奥様が危篤状態との連絡が入りました。
 担当者は出棺間際に喪主にそっと耳打ちして了解をとりました。
 「生きている方が優先ですので、釜前の読経は省いてご住職を奥様のそばに行かせてあげてください」

 細やかな心遣いでは「遺影写真とともに故人が書き残した直筆のメッセージをお渡ししたところ、会葬礼状の最後に印刷して頂き、原本は額に入れて安置所にかざってくれました。故人を大切に考えてくださっているお気持ちが伝わり、思わずまた涙を流しました」

 「スタッフが心を一つにして行き届いた対応をしてくださったこともすばらしく、女性らしい温かみやきめ細やかな工夫が随所に感じられました。」

 いずれの担当者も家庭の生活者として長年の経験を積んだ女性ばかりです。
 儀式とはいえ家庭生活の延長上にあるご葬儀にはおせっかい焼きのおば様パワーが意外な力を発揮しているようです。