先日、NHKのラジオ深夜便を聴いていると女優の吉行和子さんが102歳になられたお母様の吉行あぐりさんのことを話していらっしゃいました。
あぐりさんは10年程前のNHK朝の連続テレビ小説「あぐり」でおなじみになられた方で97歳まで現役の美容師さんをされ、現在もお元気で和子さんを叱咤激励されていらっしゃるとのこと。
そう言われて、周りを見渡すと90歳以上でお元気な方があちこちで目にとまります。
20年ほど前、東大のお医者さんから人間の寿命は大体90歳位までと言われ、なるほど、80歳後半の声は聞くけど90歳の声は中々聞かないなと、妙に納得したのがつい昨日のように思い出されます。
事ほど左様に日本人の寿命は延び、かつて100歳のご葬儀は天寿を全うされたお祝いの席に取って代わられ、紅白のタオルを配り盛大に見送られたこともいつの間にか昔話のようにされてしまった感があります。
むしろ昨今では、ご高齢でお知り合いも少なくなってしまわれたから、できるだけ質素に家族だけで見送りたいという方が増えてきています。
中には病院から直接火葬場に向かいそのまま荼毘に付されてしまう方もいらっしゃいますが、折角長く生きてきた最後が余韻に浸る間もなく、あまりに呆気なく終ってしまうのが残念です。
ご事情はあると思いますが、出来るだけ多くの方とお別れして、ゆっくりとあの世に行っていただくことは無理なのでしょうか。
高齢なのでもう・・・とネガティブにとらえるのではなく、高齢で今まで生きてこられたのだからとポジティブにとらえてお送りできないものだろうか。
高齢なのでもうという言葉を立て続けに聞くたびに、少しあまのじゃくな気持になってしまいます。