出版不況と言われる中、「もしドラ」(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)が250万部を超えるベストセラーとなり、テレビや映画化でドラッカー・ブームであったかのような感じもしないではないですが、ドラッカーが説いた内容はブームとか流行にまったく左右されないものだと思います。
「私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。」
「ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である」
これらの文章に魅せられて以来、少しづつ著作を読むようになりました。(はたして、どこまで血と肉になっているかは ??? なところですが。)
ついには、――自己管理による目標管理こそ、まさにマネジメントの「哲学」― と迫ってきます。
さてさて、この自己管理の部分だけでも、葬儀社の人にとっては深刻な問題です。何せ365日24時間対応です。大きな会社ならば社員同士でローテーションを組んだりして、時間のリズムをつくることはある程度可能かもしれませんが、葬儀業界の大半を占める、中小ではそうはいきません。オーナーなら時間も自己管理もなんのその体力だけがとりえと割り切れるでしょうが、社員にもそれを求められるのか、難しいところです。
ただ、何とかして、自己管理ができるような環境をうまく整えられないと、継続的に良い仕事を提供しづけるのは難しいかもしれません。
それはさておき、自分流に勝手に自己管理の一環と位置づけているのが、土曜日に何時間か歩くことです。そのときの状況次第で、歩く場所は、街中であったり、山であったり、観光地であったり、さまざまです。
ちなみに、先週の土曜日は出先から、ついでに皇居を周って帰ってきました。テレビではみていましたが、ランナーがものすごいです。行き交う9割方はランナーのような感じでした。休みの日にまで走っている自己管理の姿には頭が下がる思いですが、皇居を取り巻く風景全体との調和のなさに ??? 海外の観光客も奇異な目で眺めているのもおかまいなしです。
そういえばドラッカー先生も、マネジメントの原理について、「一人ひとりの目標と全体の利益を調和させるため」のものと言っているではありませんか。