ご葬儀では時として、ご家族よりもご親族の意向が優先されるような場合も出てきます。
普段のお付き合いが薄くても、ご葬儀となると親戚同士の絆が急に復活されたように浮上してくるケースも度々耳にします。
先日も「家族は無宗教葬を希望なのだが、親戚の手前、ごく一般的な仏式にして、読経は形式だけで良いので、できるだけ経費を抑えたい」との御相談を受け、お坊さんの派遣センターへの選択をアドバイスして、ご葬儀を無事終える事ができました。
それだけに、もてなしをされ、ご会葬の皆様からの「良いご葬儀でした」の一言に胸を詰らせ、アンケートでご報告される方もしばしばいらっしゃいました。
一方で、ご家族だけでお見送りされるつもりでいらっしゃった方が直前になり、「病院へのお見舞いもお断りしていたから、ご親戚や友人の方々には最期のお別れをしてもらおう」とご会葬をお願いされたケースがありました。
通夜の晩、遠方から駆けつけた御親族の方々10数人が、斎場の広間に貸布団を敷きつめてお休みになられました。
「なかなかこうした機会もないので、かえって合宿所のような1晩が思い出深く心に刻みこまれた気がします。父が皆をより一層仲良くさせてくれた時間に思えます。翌朝、バケツリレーのように次々とお布団の山が築かれたのは圧巻でした」とご報告いただきました。
良くも悪くもご親戚を意識されるのは、ご葬儀を置いて他には無いのではと思わせる程でした。