もっと知りたかった、母の歴史を!父の歴史を!

 「父の知らない一面を知ることが出来ました。有難うございます」
 青春を共に過ごした旧友達から、一斉に思い出話を聞かされて、家庭の父とは別の顔を持つ父が存在していたことに、喪主の息子さんは初めて気付かされたようです。
 
 ご葬儀の御挨拶ではこんな場面を幾度となくお見受けします。
 気が付けば、親とは改めて向かい合って、話し合ったという記憶がない方が多いのでは・・・。
 まして、どのように生き、どう死にたいのか、最期をどう迎えたいのか生前にご両親とじっくり話し合われた方は少ないのではと思われます。

 後になって聞きたかったこと、知りたかったことが山ほど出てきます。
 お元気なうちに意識して機会を作り、じっくり話し合っておきましょう。

 先日観たメキシコ映画「グッド・ハーブ」では、それまで母とはお互いに距離を置いて生活していた娘が、若年性アルツハイマーと診断された母との人生を振り返り、残された時間を共に過ごして行くことになりました。
 濃密な時間の流れの中で、やがて植物学者である母の望む生き方に気付き、母の最期を迎えることになります。

 映画のキャッチコピー「もっと知りたかったあなたのことを!母の歴史を・・・」をそのまま皆様にお裾分けしたい気持です。

 てもとの新聞を広げると、商品のインタビュー記事が目に付きました。
 「ビデオカメラを買ったら、お子様よりもお父さんお母さんを撮ってください。かけがえのない贈り物になりますから」と・・・。