「昨晩の月は清々しいほどに美しく、月見団子を食べながらしばし見とれていました」と朝方、友人からメールが届きました。
今年は6年ぶりに中秋の名月が満月になったとのこと。
兎の餅つきを連想させるお月さんを無心にながめ、願いごとを姉妹で話していた子供の頃を久しぶりに思い出しました。
いつの間にか都会生活では空をゆっくり眺める習慣も無くなりましたが、故郷では縁側にススキやお団子や小芋などをお供えした風習は続いているのでしょうか。
野菜嫌いな私もお供えをした小芋だけは大好物だったことを思い出しました。
今年は例年になく昔からの習わし一つひとつが気になります。
一個人の問題ではなく、日本のあるべき姿をもう一度再確認したい気持の高まりが、全国あちこちから沸き起こって来ているように感じます。
3・11の未曾有の大災害はある意味もう一度、じっくりと日本を見直し、残すべきものをしっかり残しておこうという機会を与えてくれました。
その地に古くから伝わる行事を改めて見直したり、長老に我が家のしきたりを伺ったりと、伝統行事が全国各地で盛んに取り上げられたのも今年の夏の特徴のようでした。
それは丁度、各人のアイデンティティーを確かめているようにも感じられました。
今朝の新聞には陸前高田の松林で1本だけ残った松が、満月の明かりに照らされて、必死に生きようとガンバって立っている姿が載っていました。
前途多難の松ですが、何とか持ちこたえられるように、お月様にお願いしておきましょう。