梅と桜の思い出作り

今年は例年よりもだいぶ遅れ、3月に入ってやっと梅の開花の声が聞かれるようになりました。
 春の訪れをいち早く感じさせてくれる梅の開花時期は、私にとっても昨年の宿題をやっと終えて遅まきながら新しい年を実感できる頃でもあります。

 先週、母の7回忌に合わせて、久しぶりに親族が集まるからにはあわよくば実家の梅祭りも堪能できるのではと密かな期待をして帰省したのですが、殆どがつぼみ状態でまだまだ春遠からじの感は否めませんでした。

 25年近く前、母が元気な頃植えた15本ばかりの梅の木も十分な手入れもしないのに元気に育ち、毎年有り余るほどの実をつけてくれる梅たちですが、一説には梅の実は25年をピークに30年が寿命とのこと。
 ということは、我が家の梅たちも例外ではなく、下り坂にさしかかっていると推測されます。
 母の供養の為にも少しでも長く実をつけてくれるよう、そろそろ身を入れた手入れを考えなくてはと反省しきりで戻って参りました。

 そんな折、湘南在住の友人から4月のスケジュールの打診がありました。
 昨年夏信州でお会いしたお母様のお友達から、最後の旅行になりそうなのでぜひお会いしたい旨の連絡があったとのこと。

 友人のお母様の幼友達である大先輩は御年95歳ですが、娘さんの車で信州の自然をあちこちスケッチされては、ちぎり絵作家として今でも意欲的に活動されていらっしゃいます。

 友人は桜の開花時期を見計らってお母様のお墓参りを兼ね、湘南から富士霊園への企画をあれこれと立てているようです。
 湘南にはお孫さん一家もお住まいになり、今回御一緒されるご様子です。
 4世代が御一緒される機会はめったにありません。
 写真班も兼ねて皆さん御一緒の写真を出来るだけ沢山撮りながら、日長1日を満開の桜の下で過ごすのを今から楽しみにわくわくしながら待っています。

 いつの日か、ご家族皆さんの写真が、旅立ちの日の思い出コーナーに並んだ時には、お越し頂いた方々も新たな思い出の1ページを作ってくれるのではと期待を込めているのですが・・・。

 写真を撮られるのが苦手な私の手もとには大人になってからの家族と一緒の写真が見当たりません。
 撮る機会は幾らでもあったのにとは後で思うことです。
 7回忌を迎えて、母と一緒の写真がないことに気が付き、せめてもと母の梅の木を沢山撮ってきました。

 これからは一つひとつ、思い出作りになるように心がけていくつもりです。