ご喪家のお気持ちが第1。

ご葬儀の立会いに伺い、葬儀社さんの担当者をはじめ、ご葬儀に関わる方々の仕事ぶりを垣間見る機会があります。
 
 ご喪家とのかかわり方も葬儀社さんの担当者により十人十色で、特にこぢんまりしたご葬儀では担当者ご自身の関わり方がご葬儀の満足度を大きく左右しているようにお見受けします。

 先日、お伺いした無宗教葬のご葬儀の担当者は、どんなご葬儀をされたいのか、まずはじっくりご遺族の方々からのご意見をお聞きすることに徹し、お相手の性格を読み取り、一番ぴったり合ったやり方を提案し、先に担当者の方から勧めることはないとのことでした。 
 お話をお伺いした担当者の方には以前にもご葬儀の主催者はあくまでご喪家ですから、ご喪家とは常に二人三脚で行かれるお話をお聞きしたことがありました。

 「ご喪家のお手伝いをするだけですから先方を立てることを忘れないで」とも。
 お話はご喪家からこと細かく伺っているが、プロの司会者に頼むとプロとしてしっかりと調べ上げ、肝心な部分も先にしゃべってしまいがちになり、無宗教葬ではご会葬者が話そうと思うことまで、先取りしてしまうことが多いので、担当者自身が司会をし、ご会葬者がお話された後をフォローしてあげる形で、臨機応変に対応されているとのことでした。

 また、ご喪家によってはプロのナレーションを好まない方もいらっしゃいます。
 葬儀社さんサイドではよかれと思って始められた司会進行のプログラムも、時として抑揚のある情緒気味のナレーションがかえってご喪家の気持ちを逆なでするのではと気をもませるような場面に当方も出くわすことがありました。 先日伺ったご喪家もプロのナレーションだけは絶対にやめてほしいとのご注文があったそうです。

 少し前に伺った立会いでは担当された葬儀社さんに決められた理由として、当センターにご相談になられた方から「常にご喪家の気持ちになって考え、行動してくれた対応ぶり」を挙げていただきました。
 会社の関係でご葬儀の日程を最優先されましたが、ご希望の日にちがせまってきて、火葬場まで混雑している中で、ご希望の日はお取りできませんとおうむ返しに却下された葬儀社さんもいらっしゃいましたが、どのようにすればご要望の日程で執り行うことができるか、ご喪家のお気持ちを第1に考えて奔走してくれた担当者にお願いされたとのこと。

 「母はこんな葬儀がしたかったんです。ありがとうございました」と開口一番おっしゃっていただいたご葬儀では、病院付きの葬儀社さんにご自宅に搬送をお願いされたのですが、雑な扱いに、お父様への配慮が足りなく、お母様が心を痛めていらっしゃるご様子に、ご長男のご相談者は改めて葬儀社探しをされ、当センターにご連絡をいただいたとのことでした。
 ご紹介した葬儀社さんの担当者にお決めになられた理由は、他社の葬儀社さんがプランの説明を急ぐ中、ひたすら相手の立場にたって、お話を聞いてくれたことにあるとのことでした。

 故人様お一人お一人が違うように、ご葬儀もお一人お一人全て違います。
 ご遺族のご要望にどれだけ耳を傾けて、どんな見送り方ができるのか
 葬儀社選びは、ある意味、担当者によって決まると言っても過言ではないようです。

 そのためにも時間のある限り、担当者とお会いされ、ご面談されることを希望いたします。