敬老の日の思い出

  夏休みが終わったと思った矢先、早くも3連休に入ります。
 3連休の3日目は9月15日、敬老の日です。
 今年は久しぶりにかつての敬老の日と同じ9月15日となり、古巣に戻ったような懐かしさを感じる方もいらっしゃるのでは・・・。

 敬老の日と言えば当方が真っ先に思い出すのは、雲一つない青空と、太鼓の音と友人の飛び切りの笑顔です。

 東京郊外の特養老人ホームの広場では、青空の元、若者たちが汗だくになってダイナミックに和太鼓を連打していました。
 敬老の日のイベントのハイライトに、広い広場も車椅子の方々とそのご家族やお知り合いの方々で、満員の盛況でした。

 久しぶりの五臓六腑に響き渡るようなリズムに、車椅子の友人は今にも飛び出さんばかりに、欣喜雀躍の様相を呈していました。
 長年音楽の世界に身を置いていた友人が、久しぶりに見せた笑顔には、格別なものがあり、友人の喜びの動きに連れられて、周りの車椅子の
方々も、負けじと、若者たちに声援を送りはじめ、いつの間にか広場中が和太鼓と一体となったように感じられるほどでした。
 
 その友人も半年後には御年92歳で帰らぬ人となり、早くも5年の月日が流れました。
 ご一緒にイベントを楽しんだ方々のご家族の中には、しばらくぶりにお会いされて、はじけるような笑顔に安堵された方も大勢いらっしゃった
のではと、当時が懐かしく思い出されます。

 一方、昨日は久方ぶりに鎌倉の料理教室で80代半ばの先輩にお会いしましたが、敬老の日の話は切り出せませんでした。
 お仕事で日本狭しと飛び回り、多忙の中、お料理に続き句会のお誘いにまで、笑顔でお答えしていらっしゃる姿には、敬老の日を撥ね飛ばすよ
うな勢いが感じられ、まだまだ先のお話のようです。
 70代後半まで登山をされていらっしゃった先輩の口癖は「60代で十分体力を養っておくこと」。
 肝に銘じておきます。

 お歳をめされても敬老の日が似合う方、似合わない方、様々ですね。