お別れの仕方も多様化時代に・・・。

今年も残り僅かになってきましたが、1年を振り返ると、ご葬儀に関しては、より家族的な意味合いが強く感じられるようになってきているように思われます。

 10年近く前から、ご葬儀を執り行わずに、火葬場に直行される直葬をご希望される方々が徐々に増えて参りましたが、いつの間にか市民権を得て、昨今は直葬にもプラスアルファが加わり多様化しつつあるようです。

 直葬の場合のお別れは今までですと、通常炉前での5〜10分程の限られた時間しか与えられず、ままならない状態でしたが、ご喪家のご要望を汲んで、ゆっくりお別れの時間が取れる状態に変化しつつあります。

 当初、直葬をご希望されるのは意思の強い方や、経済的にご葬儀を執り行うのが難しい方が多く、ある意味限定されておりましたが、一般的に浸透するにつれ、直葬にも変化が見られ、プラス−アルファが目立ってきているようです。

 最後のお別れの時間は火葬場ではなく、火葬当日までご安置されている、葬儀社さんの自社安置所が、その役目を担っているケースが多く見られます。

 例えば、当初1日葬をご希望されていらっしゃいましたが、斎場が混み合い、1週間以上お待ちいただくことになりますが、火葬だけでしたら2日後に空きがあることをご相談者に申し上げたところ、ご自宅のある関西で本葬を執り行うので、横浜では火葬のみで構わないとのご回答を得て、直葬前日に20名ものご家族・ご親戚が葬儀社の自社安置所にお集まりになり、定員5〜6名の安置室にて、交互に故人様と最後のお別れを、日長1日されたケースがございました。

 また、火葬前日、お母様とご相談者姉妹で、葬儀社所有の霊安室にお花を飾り、お父様との最後をゆっくり過ごされ、火葬当日は急遽お越しいただいたご親戚の方々に、火葬場でのお別れの時間を譲ることができましたと感謝のお言葉を頂いたケースもございました。

 火葬場に直行する前に、早めに安置所にお越しいただき、こちらで納棺とお花入れの儀を執り行い、最後のお別れはこちらで全て済ませる方もいらっしゃいました。

 いずれにしても祭壇は組まずに、形は火葬のみになりますが、お別れの仕方も多様化の時代になって来つつあるようです。