ニーズに合わせて直葬も変化しつつあります。

 先日、ご高齢のご両親の万が一を考慮され、直葬を想定したお見積りのご相談をいただきました。

 お見積りを取るにあたり、ご要望を整理する中で、どなた様のご意向かをお尋ねしたところ、喪主になられるお兄様が行動を起こしてくれないので、ご実家の状況を考慮し、あくまでご相談者ご自身のお考えとのこと。

 やり直しが効かないご葬儀では、ご相談者お1人での判断だけでは難しい状況もございますので、当事者でもある入院中のお父様とご相談されて、改めてご連絡いただくことといたしました。

 昨今は都市部を中心に直葬も定着し、中には施行されるご葬儀の中で、直葬の割合の方が多い葬儀社さんのお話しも伺っております。

 直葬という言葉がマスコミにも取り上げられ始めた8年程前、TBSラジオのトーク番組で、今時のお葬式事情が取り上げられ、激しいバトル合戦をされていたことが思い出されます。

 昔は隣組がご葬儀を取り仕切ってくれて、ご葬儀費用はお香典でまかなえたが、昨今は病院で多額の費用を使い果たし、最後のとどめにお葬式が控えている現状を訴える中、ご葬儀費用は掛かるが、お金だけをそぎ落とせばよい問題なのか、はたまたご高齢の方からは、昔から老い支度と言って、いざという時困らないように貯めてきているはずだと反対論も続出し、当時は直葬に賛成反対が五分五分程だったと記憶しております。

 あれから簡素化の波は速度を増し、直葬という言葉も日常的に使われるようになり、ご要望に応じて、ご自宅でお別れをされる方はもとより、葬儀社さんの安置所でお別れをされて、火葬場に直行される方の場合も、ゆっくりお別れができる状況が広がりつつあります。
 
 葬儀社の安置所で出棺30分前から柩にお花入れができる社、また前日にお越しいただいて1時間ゆっくりお別れが出来る社、中には時間の制限なく臨機応変に対応してお別れができる社や、ご自宅にいらっしゃるように和室にお布団のままご安置されて、お線香をたいて一晩付き添うことが可能な社と、色々ご喪家のお気持に寄り添った工夫がなされてきているようです。
 直葬も、これから増々ご喪家の立場に立ったお別れの仕方に工夫がなされていくのではと、期待しておりますが・・・。