悲しみまでもドーンと引き受けてくれそうな気配が伝わってくるのでしょうか。
頼もしい女性担当者の出番が増えて来ているようです。
入院中のご主人の容態が厳しい状況との報告を受けた奥様から、センターのご相談フォームにお問い合わせをいただきました。
ご主人からは「家族で見送ってもらえれば・・・」と言われているが、交友関係も広く、一方寂しがり屋の面も持ち合わせていらっしゃる。今の段階で、どのようなご葬儀をされたら良いのか見当もつかないが、それよりも、ご存命のうちに、このようなご相談をすること自体を躊躇されていらっしゃるとのこと。
お気持が揺れる中、葬儀社さんを決めるだけでも落ち着くかもしれないとご相談に踏み切られたご様子です。
早速に、奥様のお悩みには、女性同士、より素直なお気持でお話しできるのではとの期待を込めて、地元賛同社で今まで数々の実績を持っていらっしゃる、女性担当者の方をご紹介させていただきました。
ご逝去の後、火葬場併設の斎場が混み合い、ご自宅でのご安置が長引きましたが、その間、担当者はドライアイスの交換にお伺いする度、奥様お1人で準備をされるプレッシャーやお気持の揺れを受け止め、じっくりお話し合いをされたとの由。
ご葬儀後、奥様から大勢の御会葬者をお招きして、ご葬儀に臨むことが出来,ご満足されたとのご報告をいただきました。
女性担当者の活躍は特に少人数のご葬儀で発揮され、段取りや規則以上に、永年家庭を切り盛りしてきた女性ならではの目線が生きてくるようです。
常に生活者の皮膚感覚で行動し、時に応じて対応できる肝っ玉母さん的存在は、都会の多様化した、ご相談相手もなかなか見当たらないご葬儀では、益々欠かせない存在にていくかと思われます。
普段おせっかいに思える位の事でも、気が動転しているご喪家にとっては、それがかえって潤滑油になる場合も見受けられるようです。
中には「ご葬儀の折はただひたすらご遺族のそばに立っていてあげるだけ」とおっしゃる担当者もいらっしゃいます。
「目の前におばさんがうろうろしているから、おばさんに聞けばよい」と、皆さんが気楽にものを言いやすいようにうろついていらっしゃるとのこと。
その女性担当者が生後数か月の赤ちゃんを取り扱った時は「時として孫を亡くしたお姑さんの立場になって、プロの気持ちも揺らぐこともあるが、それはそれでいいのでは・・・」とまでおっしゃいます。
読経が始まると「ずっと抱いていたい」と若いお母さんは柩の中の赤ちゃんを抱きよせ、担当者が「ご自宅でご家族だけのご葬儀ですからいいですよ」とご返事すると、お経の間中、我が子を抱きしめていらっしゃったと伺いました。