先日、介護施設にご夫婦で入居されていらっしゃるお父様の状況が思わしくなく、目下病院に入院中ですが、万が一の際は直葬でのご葬儀をご希望され、葬儀社さんをご紹介願いたいとのご相談を頂きました。
直葬をご希望されたのは、介護施設にいらっしゃるご高齢のお母様がご葬儀にご出席されるのが難しく、長時間の拘束に耐えられない状況の中、最期のお別れだけは是非叶えさせてあげたいとのお子様達のご要望からとのこと。
早速に自社安置所を所有している賛同社をご紹介し、ご家族の方々は安置所で火葬前日にゆっくり最期のお別れをされ、炉前でのお別れはお母様優先にされることを提案させていただきました。
一方、NPO法人で川崎市と提携している当センターのホームページをご覧になり、安心されて「そちらでお任せして頂ける葬儀社さんのご紹介を・・・」とセンターを全面的に信頼いただき、当方に賛同社の推薦をお任せになられたご相談者の唯一のご要望は、ご高齢でおみ足の不自由なお母様が、ご自宅からタクシーで行ける範囲でのお見送りでした。
バリアフリーが完備された火葬場併設の浦和斎場でのご葬儀は、移動がなく、お母様も無事お父様とのお別れができ、ご満足されたとのご報告をいただきました。
平均寿命が延び、斎場でのご葬儀が一般化される中、特にお身内でのご葬儀では最期のお別れをご希望されるご高齢の方も増え、対応する葬儀社さんの担当者も何とかお気持ちをかなえてあげたいと、あれこれ模索されていらっしゃるようです。
以前立会いでお伺いしたご葬儀ではお父様のご逝去の折、ご相談者の喪主様は斎場に病身でご高齢のお母様を車椅子に乗せてお連れし、ご一緒にお別れをされましたが、このお母様を支えたのは葬儀関係者の中でヘルパーの資格をお持ちの方でした。
お一人で歩行困難なお母様には、お式が始まるまでと、最後のお別れでのお花入れの準備が整うまでは、控室でお休みいただき、その際の車椅子への移動、またお手洗い等のお手伝いと、手際よく行動されていらっしゃるヘルパーさんの姿を拝見し、高齢化社会のご葬儀の在り方を目の当たりしたように感じ入ったものでした。
介護経験のないものだけでは難しい状況を垣間見、ヘルパーさんの存在はこれから増々葬儀関係者にとって欠かせない要素になるのではと実感させられた場面でした。