心の準備はしておきたい・・・。

先日、ご相談者から9年ぶりに再確認のお電話をいただきました。
9年前のご相談の折、ご要望をお伺いして、地元・東京下町の賛同社から見積りをお取りし、センターの説明書と一緒にお送りさせていただいた方でした。

当時70代で元気ですが、最愛の息子さんを突然の事故で亡くされ、「人間はいつ死ぬか分からない」とのお気持から、ご自身のご葬儀について心の準備をしておきたいと、最もシンプルな「火葬式」のご要望を伺いましたので、ご夫妻でご葬儀を切り盛りしている下町の小規模な葬儀社さんをご紹介させていただきました。

ご紹介社は商売を度外視しているのではと思わせるほどの価格で、しかも下町の人情そのままの仕事ぶりに、お礼の手紙やアンケートが数多く寄せられており、当方としても太鼓判を押して推薦しておりました。

ところが数年後、その社長であるご主人が急病で他界され、しばらくの間、残された奥様が中心となって頑張っていらっしゃいましたが、その後奥様も体調を崩され、現在会社は休業状態に陥ったままの状態です。

ご事情を説明し、ご了解のもと、早速に同じ区内の賛同社から新たな見積りをお取りし、お送りさせていただきました。

久しぶりに9年前の資料を紐解くと、丁度同じ頃ご相談をお受けした方から頂いたパステル画の絵葉書が目に留まりました。

「遠い夏の日」とタイトルがつけられた絵葉書には、カンナの花が咲き乱れる中、夏の強い日差しを受けながら、麦わら帽子をかぶった白い服の少女が、スケッチブックを片手にすっくと立っている後姿が描かれていました。ご相談者の若かりし頃の自画像との由。

こちらも心の準備としてご自身の身の振り方はご自身で決めたいとのご要望をいただき、直葬の見積りをお取りし、お送りした方です。

絵葉書と共に「客観的に冷静に考えて妙にすっきりいたしました。その時期が何年後になるか分かりませんが、いつか必ずお世話にあずかりますことと、後期高齢者ですが今のところこれと言って体に支障をきたすこともございません」とのご報告を早速に頂きました。

丁度この頃から、ご葬儀という儀式を省いた、火葬場に直行する「直葬」という言葉が新聞・雑誌等に見受けられるようになり、この風潮に当時は眉をひそめる方もいらっしゃいましたが、逆にお二方共ご自身の生き方の選択肢として、この方法が可能であることが分かり、安堵されたとのご報告を頂き、どこかほっとした思いもございました。

十年一昔とはいえ、最近はお元気な内にご自身で心の準備をしておきたいとのご要望も一般化され、見積りをお取りして一安心されている方も多いかと存じますが、社会状況の変化も目まぐるしい昨今、前記のようなこともございますので、出来ましたら1年程を目安に、見積り等の見直しもお願いできればと存じます。