お元気なうちに。

 先日、お元気だった友人のお母様が脳出血で倒れて入院し、万が一のことが身近になってきた、と相談がありました。
 友人は万が一の時に慌てないように、という事だけではなく、今のうちに出来ることはやっておきたいとのこと。
 お父様はすでに他界されていて、お母様の葬儀は離れて暮らす長女である友人がすべて取り仕切らなくてはならない状況で、普段は仕事もあり、平日はなかなかお母様の所に行けない状態のため、何もわからず不安になっているとの事でした。

 休みの日には、お元気だったころに聞いた話を頼りに、実家に帰って生命保険の証券や印鑑、預金通帳などを探したりなどはやっているそうですがなかなか見つけられず、キャッシュカードは当のお母様が暗証番号を覚えていないそうで、医療でかかる費用や万が一の時の葬儀代もおろせない!と困っていました。
 また、お母様の交友関係もわからず、お母様のことはすべて任されていて決定権がある立場であっても、判断に迷い、聞いておけばよかったと思うことがいろいろ出てきたと言っていました。、

 最近では終活ということでご自身の将来について考える方も多くなっているようですが、気になりつつもなかなか行動に移せない方もたくさんいらっしゃると思います。
 また、友人のお母様のように、急に倒れ、何も聞けない状況になることも・・。

 子供が親と葬儀の話しをすることに抵抗がある方も多いと思いますが、他のご相談では「元気な時にここの斎場はいいな、と言っていたので、そこで葬儀をやってあげたい」とおっしゃるご相談者もいました。
 普段の何気ない会話の中にも残された家族が判断に迷わないで済むヒントがある事もあるようです。

 私はこのような仕事をしているので今まで親と葬儀のことは色々話してきたつもりでしたが、先のことを考えるとまだ判断に迷う事もあり、聞きたいこともあるのですが、両親も高齢になり、病気を患っている今、葬儀の話しはしづらくなってきました。

 お元気なうちに、気になることは何気なく聞いておくと、残された家族は選択肢が狭まって判断がしやすくなるかもしれません。