お正月三が日のお休みと寒い季節が相まって、新年の各斎場は例年の如く混み合いを呈しているようです。
以前、市営のかわさき北部斎苑をご希望のご相談者に混み合う場合を考慮して、自社斎場を所有している葬儀社さんをご紹介致しましたが、双方とも混み合い、一番早くご予約できるのは同じ市営のかわさき南部斎苑の大式場になってしまいました。
ご喪家のご要望とは言え、お身内だけのご葬儀に、イス100席もある式場は何としても広すぎます。
そこで、担当者は普段どちらかと言えば式場入口や片隅に配置される思い出コーナーを、式場後半全部を使って造ることを提案し、ご喪家の方々や故人様の御兄弟に思い出の写真や、故人様が大事にされていた思い出の品々を多数持ち寄って頂きました。
通夜当日、式場半分近くまで展示された懐かしい写真や遺品の数々を手に取り、お身内の皆様が暫しの間思い出を語り合うことができ、広い会場も和やかな空気に包まれて大変喜ばれたとの報告を頂きました。
また、思い出コーナーは葬儀社さんのサービスの一環としてご喪家に提案し、飾り付けや制作は通常葬儀社さんにお任せする場合が多いようですが、以前立会いでお伺いしたご葬儀では、ご喪家総出でお手伝いをされ、大変感慨深いお式になった例もございます。
お父様のご葬儀でご相談頂いた喪主様は葬儀社の担当者から思い出コーナーの提案をされたが、当初あまり乗り気ではなかったとの由。
担当者はご要望をお聞きして、ご喪家にできるだけ参加していただき、より多くの思い出を創ってもらうことを意とし、観る側も手際よく造った業者サイドのものよりも、ご喪家の想いが出ている作品により愛情を感じていただけるのではと期待しての提案でした。
通夜当日の午後から、ご喪家総出で写真選びからレイアウトに到るまで、切ったり貼ったりと共同作業をしていくうちに皆の気持ちが寄り添い、ひとつになっていくのが感じられ、作品のみならず、より一層の思い出になりましたと後日興奮気味にお話されたのは当の喪主様でした。
数年後、お花の先生をされていたお母様のご葬儀の折も、ご家族ともに生徒さんたちの共同作業があったのは言うまでもありません。