死別の悲しみのプロセス

 「センターの存在意義は、よき葬儀社選びのサポートを通して、葬儀を前に頭に浮かんでくる様々な不安を取り除き心を落ち着けてもらうことです。」とホームページの一番先に書いているように、われわれの守備範囲は、死別に関わるごく短い期間にすぎません。

 ご遺族にしてみれば、葬儀の慌ただしさの後に、死という厳粛な現実を前にして、本当に辛い時間が訪れるものと思われます。

 臨床心理学者のキャサリン・M・サンダースは、死別に関する調査をしていくうち、死別の悲しみのプロセスに5つの段階があることを発見したといいます。
1、ショック
2、喪失の認識
3、引きこもり
4、癒し
5、再生
(もちろん、これらの段階ははっきりとした境界をもっているわけでも、固定的なわけではないと断っています)

 いずれにしても、絆が強ければ強いほど悲しみは大きくなり、悲しみを乗り越えるのに(乗り越えるという表現を嫌う人もいますが)困難がつきまといます。

 そこで、これらの段階をうまく歩むようにサポートするグリーフ(悲嘆)ケアの大切さが言われることになります。

 最近では、少数ながら、グリーフケアについて勉強会をしたりして、それをご遺族との対応に生かそうとする葬儀社も出てきています。

 私自身は、葬儀のやり方そのものによっても、悲しみの時期を必要以上に長引かせたりすることがあるのではないかと思っています。そうならないために、伝統的な儀礼のされ方のなかに、示唆を与えてくれる何か大いなる知恵があるような気がしています。