「お手紙に書きますので・・・」と電話口で当センターの住所を聞かれた声の主は穏やかな口調の方でした。
2日後届いた手紙にはご高齢になってご自分のご葬儀をどのようにするか色々検討しご自分なりの結果を出したので、その結果に基づいた見積りと葬儀社を紹介して欲しい旨書かれていました。
少数とは言え、時折このようなお電話やお手紙を頂くようになりました。時としてそれがご高齢者であったり、余命幾ばくもない方であったりします。
しかし、皆さん一様に明るく声や文面から受ける印象は何処か吹っ切れて余裕さえ感じられるようです。
1年ほど前電話で受けた方もご自分のご葬儀の相談でした。
明日これから再入院して手術を受けるので、万が一の時のために見積もりを取ってご家族に手渡しておきたいとのことでした。
余りにてきぱきとおっしゃるので、思わずどなたのご葬儀か聞き返したほどでした。
半年後、葬儀社からご葬儀の連絡が入りました。娘さんから「母の遺言どおり無宗教葬でお見えになったお客様にはおいしいお料理を精いっぱい振舞いたい」とのことでした。
傍から見ていてもご相談者はご自分の最後を自分らしく締めくくるにはと意識することで、今をより大切に生きようとする生への認識が高まってきたようにも感じられます。