家族葬

 早くも師走の声が近づいて参りましたが、相変わらずのコロナ禍の中、御葬儀だけは静々と執り行われています。

 その御葬儀も感染を恐れ、気が付けばいつの間にか、お身内だけの家族葬が主流を占めている昨今です。

 先日久しぶりに本棚の整理をしていると、8年前のメモ帳が見つかりました。

 そのメモ帳に貼ってあった当時の新聞の投稿欄の切り抜きに、思わず目が止まりました。

 投稿欄にはお義母様の遺言どおり、当時マスコミで話題になっていた家族葬での御葬儀を、お身内だけで執り行ったが、出棺の際、噂を聞きつけたご近所の方や、ご友人の「可哀そうに、こんなご葬儀で・・・」という囁きが耳に残り、そのことが3回忌を迎えたこの2年間、ずっと心に引っかかっていたと記されていました。

 「最期のお別れをしたいのは、家族も友人も同じ・・・」とも言われ、その後弁明に回られたが、同じような事を言われ、親しい方とのお別れの仕方の難しさを実感されたとのこと。

 当時のメモには、地域の共同体意識が薄れてきたとは言え、次世代の子達は、親世代の付き合い方をよく観察していないと、いざと言う時に、自分たちの考えを通すだけでは、反発を招くことになりかねない。 長年の友人知人の想いは複雑で、繋がりは子供達が思っている以上かもしれない、と記していました。

 御葬儀のことを切り出すのは縁起でもないと、タブー視続けた親世代の考えを、少しづつでも軟化させ、最期について様々な角度から、親子で話し合いをされることが必要な時代に入ってきた、とメモっていました。

 10年ひと昔とは言え、気が付けば当たり前の様に、家族葬が主流を占めている昨今です。

 先週は、ここ10年来入退院を繰り返してこられた友人のお父様も、御家族に見守られ、静かに旅立たれました。

合掌。