今は特別な情況下・・・?

 コロナ禍の中、オリンピックも終盤に入ってきましたが、ここにきて連日のコロナ感染者数が異常な数値を示し始め、毎日のニュース番組から目が離せない状態が続いています。

 更に追い打ちを掛ける様に、コロナ感染者も重症者以外は自宅待機を余儀なくされる状況が発表されるや、非難の的となり、慌てて修正したりと今年の夏は暑さと共に異常ずくめの毎日が続いています。

 御葬儀の世界も3密(密閉、密集、密接)を避け、通夜を省いた1日葬が主流を占め、本来の御葬儀が難しい状況の中、招く方も招かれる方も、どこか疑心暗鬼の状態が否めません。

 永年のお付き合いで、本来でしたら最期のお別れをされたいところですが、お身内だけのお見送りを希望されるご喪家サイドとのお気持ちのズレが徐々に出始めているようです。

 更に、菩提寺サイドも当初2日間の御葬儀に夫々の意味があるとのことで、中々首を縦に振らなかったご様子でしたが、最近は特別な情況下として許可をされているところも出てきています。

 しかしながら御葬儀の世界では、一旦一つの方向に流れが変わると、なかなか後戻りしないジンクスもあり、コロナ禍終焉後の御葬儀の在り方も大分様変わりして来るのではとも・・・。

 かつて団塊世代がご喪家代表を務めていらっしゃいましたが、気が付けば見送られる側に回り、次世代の御葬儀の在り方はよりhowツウ式の形式的な方向へ向かっていくのではとも予測されます。

 最期のお別れは人それぞれですが、流れに従ったまま荼毘に付され、後々あとに残された者が後悔することのないように・・・。

 その為にも、自分らしくご自身の最期はこのように・・・と、各自エンディングノートにご要望を書き込んで、残された方に託しておくことも、これから益々必要になるのではと存じます。

 数年前、会社の健康診断で末期癌を告知されたモーレツサラリーマンの半年を、映画監督である娘さんが冷静にかつ微妙な距離感をもって克明に描いていたドキュメンタリー映画「エンディングノート」が上映されました。

 サラリーマン時代、段取りが命と豪語されていたお父様は最後の仕事としてご自身を選ばれました。

 ご実家は代々仏式でしたがキリスト教葬を選び、ご会葬いただきたい方のリストをコピーし、奥様とご一緒に式場の下見をされ、準備万端整えた後、94歳になるお母様に携帯電話で最後のお別れをされ、洗礼を受けられました。

 映画が終り、エンドマークが出ても、暫し立ち上がれなかったことが思い出されます。